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- お月見団子
- 17/10/29 08:29:07
高速道路での「あおり運転」が社会問題化する中で、大分県日田市田島の僧侶で山菜料理店経営、香川良海さん(70)が7年前に特許取得した「音声(怒声)出力器」が改めて注目を浴びそうだ。車内の手元に設置し、悪質ドライバーに遭遇した際にボタンを押すと「ビャッキャロ(バカ野郎)」などと自分だけに聞こえる程度の怒声を発する。ストレスを発散、解消し、再び運転に集中するユニークな装置だ。
きっかけは、香川さん自身の高速道路での体験だった。走行中にマナー違反のドライバーに軽くクラクションで警告したところ、後ろからあおられ、怒りでしばらく正常な運転ができなかった。「自分の代わりに怒声を発し、ストレスを解消する装置はないか」と考え、発明した。
2010年に特許取得。翌年、日田林工高電気クラブの協力で試作器が完成。昨年春、高速道路を走るトラックやタクシーの運転手約50人に試作品を手に尋ねると、実用化を求める声が多く上がったという。その後、個人的なつてをたどり、中国・上海の電機メーカーに依頼し、小型化した卵形(最長15センチ、横10センチ、厚さ3.5センチ)のものも作った。
香川さんは、6月に神奈川県内の東名高速で起きた事故に心を痛めている。夫婦に注意された男が、夫婦の車をあおるなどして路上に停車させ、後続のトラックが突っ込んできて夫婦が死亡するという悲劇だった。男は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で逮捕された。
警察庁によると、今年1~6月、高速道路でのあおり運転など道交法違反の「車間距離不保持」の摘発件数は3057件。昨年中の摘発は6690件で、一般道を含めた全体の9割近くを占める。
香川さんは「運転すると人格が一変する人もいる。車内の閉鎖的な空間が感情を異常に高ぶらせトラブルを招き寄せてしまう。逆に加害者側に回る可能性もある」と話す。装置にメモリーカードを挿入すれば、子供の声で「運転、ご苦労さま」などいろんな音声を流すこともできる。「この装置を有効に生かせないか」と香川さんは検討を続けている。【楢原義則】
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