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- 秋田犬
- 17/09/22 13:02:53
小さな命が消えゆく様子に、何も思わなかったのだろうか。同居相手の当時3歳の息子に暴行を加え、死亡させたとして、傷害致死罪に問われた男の裁判員裁判が9月4~13日、東京地裁で開かれ、懲役8年の判決が言い渡された。逮捕直後からその衝撃的な暴行内容が指摘されていたが、法廷では新たに犯行前後の自己中心的な行動が明らかになった。(社会部 加藤園子)
■第4の女?へのメッセージ
「覚えてないです」
それまで淡々と質問に答えていた永富直也被告(21)が、言葉を濁した。
「(暴行翌日の)夜、同居相手とは別の女性とLINE(ライン)していませんでしたか」
検察官がその女性のLINEのアカウント名を読み上げる。暴行翌日はまさに被害者の新井礼人(あやと)ちゃんの容体が悪化し、目の前でぐったりと動かなくなってしまった日だ。
「この人とお互い『好きだ』とかそういうやりとりをしていませんか」
「覚えていない」と繰り返した永富被告だが、証拠などから自分のLINEアカウントから送信したメッセージであることを認めた。
「この人は誰なんですか」
「友達です」
「どういう関係?」
「…そこまでは言いたくないです」
すでに検察官からの質問で、同居相手だった女性とは別に2人の交際女性がいたことを明かした永富被告。LINEの人物はその交際相手とも違う女性だと答えた。
「警察が来てから、『自分は捕まる。出てくるまで待っててね』と女性に送っている。本当に礼人ちゃんが心配だったのか」
検察官が質問を突きつける。同居相手だった女性が救急車を呼ぶと「ここにいられない」と部屋から逃げたことも指摘され、論告では「被害者に思いをはせる様子がなく、生命軽視の程度は甚だしい」と断じた。
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