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- 一銭洋食
- 17/07/06 19:37:57
エスカレーターは急ぐ人のために片側を空ける――。
こんな都市部の暗黙の「マナー」に、大変な思いをしている人たちもいる。障害があって左側のベルトをつかめない。子どもと手をつないで並んで立ちたい。そんな思いを知ってもらい、誰もが安心して歩ける街にしようという呼びかけが始まっている。
埼玉県の会社員の女性(46)は10年前に脊髄腫瘍(せきずいしゅよう)の手術をし、首から下にまひがある。エスカレーターでは右側に立った方が安定するが、「迷惑をかけるから」と左側に寄っていたという。
杖をついて乗ろうとすると、またいで追い抜く人も。「荷物がぶつかって落ちそうになることもあり、ヒヤヒヤです」
こうした声を聞き、「気兼ねなく右側に止まって乗れる雰囲気を作ろう」と動き出したのが、東京都理学療法士協会だ。
6月中旬、東京都内の駅でチラシなどを配り、「止まって乗りたい人もいる。立ち止まる勇気を広げよう」と訴えた。
日本エレベーター協会の5年ごとの調査によると、2013~14年のエスカレーターの事故は1475件と、08~09年の1・2倍。交通機関の関連施設での発生が約半数を占める。エスカレーターは歩くように設計されておらず、段差が大きいため転倒しやすい。追い抜く際に接触して事故につながる可能性もある。
都理学療法士協会の森島健会長は「大変な思いをしている人がいることは、まだまだ知られていない。一人で習慣を変えるのは難しいが、東京五輪・パラリンピックに向けて理解を広げていきたい」と話す。
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