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- 17/05/28 11:47:33
2017.5.28 07:30
加害男性が昨年1月までの数カ月間住んでいた団地。週刊誌の直撃取材を受けた後、ひっそりと退去した。
人目を避け、息をひそめるように暮らしていたのだろうか。その男性の姿を日中に見かけることは、同じ団地の住人でさえほとんどなかった。
身長約160センチ。色白で、少しこけた頬。その男性こそが、20年前に「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」を名乗り、日本中を震撼(しんかん)させた神戸連続児童殺傷事件の加害男性(34)だった。
東京都足立区。埼玉県との都県境に近い団地の一室で、加害男性は平成27年冬から昨年1月までの数カ月間生活していた。
「夜になると、サドルに穴が開いたぼろぼろの自転車で出かけていた」。同じ棟に住む男性は、加害男性らしき人物の印象を語る。「『何か不気味な人だ』と話す住人もいた。2~3カ月で、すっと忍者みたいに消えていった」
姿をくらますきっかけとなる出来事が、昨年1月にあった。週刊文春の記者から直撃取材を受けたのだ。
それから数日のうちに、加害男性は入居時と同様、ひっそりと退去していった。だが2月になって「元少年A、33歳」という見出しの近影写真とともに記事が掲載されると、ピンと来た住民も少なからずいた。
「もう団地にはいない。住人が怖がるので話題にするのを避けている」。自治会長は言葉少なに語った。
愛媛、徳島、神奈川、静岡、そして東京…。9年10月に収容された関東医療少年院(東京都府中市)での矯正教育を経て、16年3月に仮退院した加害男性。その後、どこに居住しているかをめぐっては、多くの噂が飛び交った。
懐疑の目を向けられては転居を繰り返したのか、27年6月に犠牲者遺族に無断で、「元少年A」という匿名で出版した手記「絶歌(ぜっか)」には、日雇いや少年院で身につけた溶接工の仕事で食いつなぎ、ネットカフェや簡易宿泊所を転々とする日々がつづられている。
両親ですら会って話を聞きたいという希望がかなわない中、直撃取材に成功した週刊文春の記者は半年以上をかけ、20年前とは別の名前で暮らす住居を特定したという。
記者によると、加害男性に名前を確認したところ、「何のことか分からない」と答えていたが、途中から様子が一変した。
「名刺も手紙もいらねえよ」「命がけで来てんだよな」
脅しとも取れる言葉を発し、異変を感じて逃げる記者を約10分間、執拗(しつよう)に走って追いかけてきた。記者は「(加害男性は)ポケットの中で何かを握る素振りを見せながら叫んでいた。更生できているのか疑問に感じた」と振り返る。
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