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- 捕まる“境界線”
- 16/05/29 01:34:31
産経新聞
東京都は24日、出勤途中に若い女性のふとももを隠し撮りしたとして、総務局の男性主事(51)を停職1カ月の懲戒処分にした。
「以前から足に興味があった」と話しており、下着などは写っていなかった。
都によると、主事は昨年5~12月、出勤途中の路上や電車内で、スマートフォンを使い、複数回にわたって女性の足をすれ違いざまに撮影した。
スカートをはいた女性のふとももを中心に撮影。
撮影音のしないカメラアプリを導入したことをきっかけに、「撮りたいと思ってしまった」と話している。
路上に「不審な男がいる」と警察に相談があり発覚。
都迷惑防止条例違反(ひわいな言動)容疑で書類送検されたが、その後、不起訴になった。
(日刊ゲンダイ)
ランジェリーは写っていなかった──。
「スカート内を撮ったわけではなく、スマホを持った手をだらりと下げてシャッターを切ったようです。
“不審な男がいる”との通報を受けて警察が捜査し、(主事を)特定して送検したと聞いています」
(都総務局人事課)
それでも処分を受けたのだから、他人事ではない。
元検事の落合洋司弁護士によれば、こうした隠し撮りの事案では2008年に最高裁で有罪判決が出ている。
北海道のショッピングセンターで男が女性をつけ狙い、尻を近い距離で複数回撮影したケースだ。
■女性を不安にさせる行為が摘発の対象に
「裁判官5人のうち1人が有罪に反対する微妙な判決でした。この種の隠し撮りはどこまでやったら有罪という明確な線引きが難しいのです。
ポイントは女性を著しく羞恥させ、不安にさせるような行為が摘発の対象になりやすいということ。数メートル離れた所から女性の全身を1回撮るくらいなら問題ないかもしれませんが、胸やお尻、太もも、うなじ、脇など女性が恥ずかしがる部位にフォーカスし、近距離から何度も撮影すると処罰されかねないということです」
浅草サンバカーニバルのダンサーなどは、見てもらうのを前提に踊っているので問題になりにくいが、お祭りで神輿を担いでいるはっぴ姿の女性の胸を接写するのは避けたほうがいいそうだ。
「裁判官の意見が割れるほど微妙ですから、法律の専門知識が乏しいお巡りさんの判断でいきおい事件になってしまう事態も考えられます。女性の同意なしに撮影するのはリスクがつきまとう行為だと肝に銘じてください」
スマホが住みにくい世をつくっている。
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