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- 16/05/04 23:23:36
産経ニュース
新学期が始まって約1カ月。
小中学校では家庭訪問を行うところが多い時期だ。
かつては担任の教員が家に上がり、子供部屋などを見ることもあった。
しかし最近は、玄関先だけで済ませるケースが少なくないという。
背景には、迎える保護者も訪ねる教員も忙しい、という事情がある。
教育関係者は「場所は問わないので、学校と保護者との信頼関係を築く機会にしてほしい」としている。
◆立ったまま
「先生、お話は玄関でも構いませんよね」
大阪府東部で小学校教員をしていた男性(44)は20年程前、家庭訪問先で保護者からこう言われ、驚いた。
玄関の上がり口に座布団が敷かれており、家の中には入れなかった。
「自分が子供の頃、担任の先生は子供部屋も見ていたのに…」と戸惑いを覚えたが、その後もそう言われることが増えた。
「変わってきたんだなあと思いました」
神戸市内の小学校に2人の子供を通わせている会社員の女性(44)は、長女が1年生だった昨年、初めて家庭訪問を受けた。
リビングで15分ほど懇談したが、後日、他の保護者から、「うちはマンションの玄関口で数分で終わった」「ドアは開けたまま、立ったままだった」と聞いて驚いたという。
「当然家に上がってもらうものだと思っていました。
でも今年はうちも玄関にしようかと思っています。
掃除もしなくていいし」と打ち明ける。
◆教員側の事情
玄関先での家庭訪問が増えている背景には、教員側の事情もある。
ベネッセコーポレーションが平成25年、小中学生の保護者2335人を対象に行った「『家庭訪問』についてのアンケート」によると、面談を行った場所は「居間・リビング」が44・6%、「玄関先」と答えた人が43・4%だった。
「玄関先」と答えた人に理由を尋ねたところ、「家に上がってほしくなかった」という回答が14・7%。
一方、「先生が望んだ」が最も多く、71・4%に上った。
大阪市内のある小学校は今年、4月下旬の4日間で家庭訪問を実施した。
1人の教員が1日当たり回る軒数は多い日で12、3軒。
校長は
「家に上がると時間がかかってしまう。
その後の訪問もあるので玄関先でとお願いすることが多い」と話す。
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