義務教育、重い負担なぜ? 制服、かばん…中学入学で9万円 進学や通学の「壁」に

匿名

ドリアン

16/03/08 16:26:31


義務教育、重い負担なぜ? 制服、かばん…中学入学で9万円 進学や通学の「壁」に

西日本新聞 3月7日(月)14時31分配信


 春3月。わが子の進学を喜ぶ一方で、公教育に予想以上の私費負担が必要なことを知って戸惑う保護者が少なくない。福岡県春日市の40代女性もその一人。2月初め、長女が来月入学する市立中の説明会に参加し、制服や通学かばんなど総額約7万~9万円を現金払いしなければならないと知らされた。共働きで2人の子を持ち、児童手当を受給する「標準的世帯」のこの女性にとっても重い出費。生活困窮世帯であれば就学援助を受けられるが、新入学用品費の支給額は約2万3千円で到底足りない。女性が本紙子ども問題取材班に寄せた疑問を、市教育委員会に投げ掛けた。

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ある新入生母の訴え

 冬服ブレザーとスカート2万9592円、通学かばん8500円、ジャージー上下7800円…。女性が入学説明会でもらった購入品一覧表の総額は必須品だけで約7万円、補助バッグなど希望者が買う品を含めると9万円近かった。「義務教育でも中学入学時にお金がかかるとは聞いていたけど、ここまで高いとは。せめてもっと早く言ってくれれば積み立てをしたのに」
 同じ日に制服の採寸もあった。制服から通学かばん、体操服や補助バッグ、上靴まで販売業者が1社ずつ指定されていた。セーターやベスト、補助バッグの購入は任意だが、規定以外の物の使用は不許可。靴下も白だけでラインが入ってはいけないと言われた。
 制服、ジャージーやセーターは、学年ごとに違う色で校名や氏名が刺しゅうされるため“お下がり”は入手しにくい。「娘のために貯金を切り崩してでもお金は用意します。ただ、『なぜ』『何のため』が次々と頭に浮かんで、消えません」
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福岡・春日市教育委員会の見解

 春日市教委学校教育課とのやりとりは以下の通り。
 ―入学時の費用は市内で統一されているのか
 制服は中学ごとに学校とPTAが協議して決めている。市内6校中2校は、詰め襟やセーラー服の標準服を学校指定の3~5社(数万円)から選んで購入する仕組み。4校は独自デザインのブレザーを採用している。入学時に必要な費用は、生徒数やデザインなどによって学校間で数万円の開きがあるのが実情だ。
 ―販売業者を絞るため価格が高いのではないか
 独自デザインの学校の場合は1社に絞られる。ただ、保護者の経済的負担を抑えるため、他自治体に先駆けて制服業者の選定に入札を導入しており、価格を抑えられている方だと思う。昨秋、4年に1回の入札をし、前回と同じ業者が落札。繊維価格の高騰もあり、価格は前年度より上がった。かばんや靴などの業者は学校が選んでいる。
 ―刺しゅうや上靴の色を学年で変えたり、靴下が白でなければならなかったりするのはなぜか
 刺しゅうは生徒を把握しやすくするためではないか。色の違いや靴下も各校の校則にのっとったもので、事実上、学校長の判断だ。
 ―制服やジャージーなどは学校の備品として貸出制にできないか
 制服やジャージーは消耗度やサイズの個人差が大きく、衛生面でも備品にはなじまないと考えている。
 ―中学入学時に必要な金額を、なぜもっと早く知らせないのか
 現時点では、毎年小学6年の3学期にある中学校入学説明会で入学時に必要な金額を保護者に伝えている。ただ、長子が初めて進学するまで額が分からないのは確かに不便。事前に概算の費用をお伝えする方がいいかもしれない。
 ―義務教育の無償を規定した憲法26条をどう受け止めるか
 (しばらく沈黙し)私費負担ゼロで教育を受けることはできていない。個人的意見だが、国はすべての子どもに学習する機会を保障するため、教育予算をもっと手厚くすべきだと思う。

続く

コメント

古トピの為、これ以上コメントできません

  • No.346 すいか

    16/03/09 00:52:52

    このトピの新聞記事、今日母親から貰ったわ。うちの子が今度6年になるから、入学までにお金貯めないといけないよ~って。
    トピ文の女性の娘さんが通う学校の内訳金額載ってたけど、靴下3200円は高いわ…。

  • No.925 マンゴー

    16/03/22 18:28:42

    学校用品なぜ高い? 販売業者と指定する学校の実態を探った
    西日本新聞 3月22日 11時12分配信

    ある販売店は「メーカーから仕入れた後の値引きは販売店の負担。15年前は値引きなんてなかった」と打ち明ける(写真の一部を加工しています)拡大写真
     公立中学校の入学時に必要な制服や体操服などをめぐる西日本新聞の報道に、読者からさまざまな声が寄せられている。「制服はもっと安くていい」「ジャージーはどこでも安く買える時代。なぜ学校指定なのか」…。中には、学校と業者の関係をいぶかる声もある。販売業者、指定する学校の実態の一端を探った。

    公立と私立、どちらが得?保護者に聞くマネー事情 入学金、授業料…家計負担重く

     2月中旬、福岡県久留米市の制服販売店「マルヒロ」の電話が鳴った。「制服代が高い」。声の主は今春、中学生になる孫の制服を求めた年金生活者だった。森光雅敏社長(50)はため息をつく。「高いと思うのは分かる。でも、決して楽な業界でないことも分かってほしい」

     制服は、3年間使うことを前提にした機能や耐久性が価格に反映されている。制服販売店の多くは大手メーカーから仕入れ、粗利は販売価格の3割程度。だが、森光さんは「利益のほとんどは営業経費や無料補正などの独自サービスに消える。今は売れば売るほど損をしている」と言う。

     業界は入学シーズン以外は稼ぎも少ない。少子化で販売店間の競争が激化する中、利益率は縮小するばかり。近年はメーカーによる直接販売の動きもある。森光さんの店は久留米市内のほぼすべての公立中学校の制服を扱っており、「厳しいから辞めますとは言えない」と話した。

    「学校はビジネスの素人。高いか安いかは正直分からない」

     一方、多くの公立中学校で、ジャージーや通学カバンなどは各校独自のデザインやワッペンを施した「学校指定用品」になっている。一般的に複数の業者に見積もりを競合させ、PTAと協議して決めるという。

     福岡市のある校長は「かつては『お付き合い』のある店だからと契約したようだが、今はない」と話す。ただ、別の校長は「学校はビジネスの素人。競合とはいえ業者の言い値で買うしかなく、高いか安いかは正直分からない」と打ち明けた。競合も3~4年ごとだったり、校長が代わるタイミングだったりと、学校によってまちまちだ。

     2月、福岡市のある中学校で保護者に配られた指定用品の購入申込書。体操服は校則で「白色なら何でも可能」とあり、指定品目ではないが、体操服(1500円)の記入欄もあった。

     ほぼ同じ体操服を1350円で販売する同市の別の業者が知り、学校に抗議した。保護者からすれば購入の手間は省けるが、「これでは指定用品と同じ。学校側も真剣に業者を選んでいるとは思えず、不信感は募るばかりだ」と憤る。

     福岡市教育委員会は「子どもたちが学校の一員としての誇りと責任を持つよう、また保護者の負担にも配慮し、各学校には必要最低限の指定品目を検討してもらっている。業者選定では競争性と透明性の確保を指導している」としている。

    西日本新聞社
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160322-00010002-nishinp-soci

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