エーゲ海で難民の赤ん坊が漂流、漁師らが救出

中東シリアなどからの難民がヨーロッパへ押し寄せる中、海で漂流していた赤ん坊の救出劇をカメラがとらえていました。

　これは、トルコ沖のエーゲ海の映像です。漁をしていたトルコ人の漁師らが難民が漂流しているのを見つけます。近づくと、そこには赤ん坊の姿が。

　「赤ん坊がいるぞ」（トルコ人漁師）

　男性らはすぐに赤ん坊を引き上げ、ライフジャケットを脱がせます。そして、逆さにしたり、うつ伏せにして背中をたたくなどし、赤ん坊の意識を回復させました。赤ん坊は、生後１年６か月のシリア人難民、ムハンマド・ハサンくんで、その後、映像では、母親に抱きかかえられる姿が見られました。

　この日は、ムハンマドくんを助けた漁師らが、ムハンマドくんに会いに来ました。

　「ムハンマドは生きていないと思って本当に焦ったんだ。実際、一緒にいた仲間は、ムハンマドが死んだと思って、“神よ”って言った。でも、ムハンマドをボートに引き上げたとき、彼の声を聞いたんだ。“生きてる！生きてる！”って。とても興奮したね」（ムハンマドくんを助けた漁師）
　「彼らはムハンマドに新しい命を与えてくれました。感謝します」（ムハンマドくんの母親）

　ＩＯＭ＝国際移住機関によりますと、今月１７日から２１日の間にトルコ経由でギリシャの諸島へ到着した難民らの数は、およそ４万８０００人にのぼり、５日間の数字としては最高水準に達しました。

　また、ヨーロッパを目指す途中で難民らが死亡した事例は、今月１９日以降、２件あり、その中で１８人が死亡したということです。（25日08:16）

最終更新：10月25日 18時35分
TBS系（JNN）