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- 04/10/08 11:23:51
日本人研究者「予防接種の徹底を」
昭和四十三年から平成十四年までの三十五年間に、風疹(ふうしん)による妊婦の人工妊娠中絶と自然流産が全国で約三万八千件に上ることが、米疾病対策センター(CDC)の加藤茂孝客員研究員の調べでわかった。風疹による中絶、流産の数が積算されたのは初めて。データは札幌で開かれる日本ワクチン学会で九日に発表される。
風疹は発熱、発疹(はつしん)の出るウイルス感染症。小児は数日で治癒するが、風疹に免疫のない妊娠初期の女性がかかると、流産したり、赤ちゃんが難聴や白内障、心疾患の障害をもつ「先天性風疹症候群」として生まれることがある。予防接種が徹底しておらず、散発的な流行が起きているのが現状だ。
感染した妊婦の中には流産したり、赤ちゃんが障害を負うことを恐れて人工妊娠中絶を選ぶ人も多いとされるが、その数はわかっていなかった。
加藤研究員は今回、過去五回の風疹大流行期に中絶と流産の数が突出することに着目。厚生労働省のデータも参考に、風疹を原因とする中絶と流産の数を推計した。それによると、風疹大流行期の中絶と流産は計二万五千九百三件。非流行期の一万二千五百九十三件とあわせて、計三万八千四百九十六件に上った。
今年は昨年の風疹流行で先天性風疹症候群の赤ちゃんがすでに五人生まれている。データをまとめた加藤研究員は「一人の先天性風疹症候群の赤ちゃんのかげには、五八・八人の流産や中絶がある。先天性風疹症候群も、風疹による流産や中絶も、予防接種で防いでほしい」と話している。
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