官能小説得意な方!

  • 下話
    • 982
    • ざらめ
      14/01/16 20:42:00

    >>941
    続き

    思ったより小さいスタジオ。
    撮影って、テレビ局みたいなところでやると思っていたから意外だった。

    周りはさすがにかわいい子どもたちばかりだった。
    あの子はハーフかな?なんてキョロキョロしながら落ち着かない。
    イヤ。うちの慎吾が一番だ(笑)

    出演オーディションのメールをもらってから三日後、写真選考で慎吾が選ばれたと聞いた時は、夢を見ているようだった。

    「SMAqさん、入りまーす!」

    スタッフの人が、ペコペコお辞儀をするように、彼らをスタジオに案内する。

    キッズモデルたちのママさんたちからどよめきが湧いた。

    すごい。
    さすがに、オーラが違うとはこのとだ。


    撮影は順調に進んでいた。

    説明にあったとおり、SMAqのメンバーと子供たちは、風船を投げあって思い思いにはしゃいでいる。
    BGMにはアップテンポのSMAqの曲がメドレーで流れて、子どもたちも自然とテンションが上がる。

    本村さんの腕に女の子がぶら下がってきゃあきゃあ笑ってる。
    そうか、この人は二人の女の子のパパなんだ。
    慎吾は…
    やっぱり、カトリさんにまとわりつくようにして、風船を投げつけたり追いかけたりしていた。
    彼は笑顔で慎吾を追いかけ、風船を受け取り投げ返し…
    慎吾がこんなにはしゃいでる姿は久しぶりに見た気がした。

    いいな。

    私もこんな人を選んでいたら幸せだったのかな…


    「お疲れ様でしたー!いただきましたー!」

    スタッフの大声で、現実に引き戻された。

    慎吾はまだカトリさんの足にまとわりついたり、腕にしがみついたりしていた。
    その度にカトリさんは
    「くぉらっ!慎吾っっ!」
    と慎吾を抱き上げて回したり、くすぐったりして、慎吾もケタケタと笑い声を上げる。
    ていうか、慎吾、いつの間に自己紹介したんだろう。

    「あの…。ごめんなさい。うちの子ががいつまでも、すいません…」
    恐る恐る、カトリさんに近づいてみた。

    「あ。慎吾のママ?リアル慎吾ママだ(笑)!」

    テレビで見慣れているはずの、大きな口をニカッてする笑顔。
    なのに緊張しつつも見とれてしまう。

    「最近のママさんって、かわいーんだね!」

    「そんな…ことないです。。」

    「慎吾もかわいいし!名前一緒だしねっ!」

    「あの…カトリさんの大ファンで、お名前、いただいちゃったんです。」

    …!
    言うつもりないことまで口走ってしまった。

    「マジで?!嬉しい!ありがとう!」

    また、ニカッと笑う。
    本当に素敵な笑顔だな。

    慎吾はいつまでもカトリさんにくっついてはなれない。

    「ねぇねぇ!また抱っこしてぐるぐる回るやつ、やってよ!」

    「しょーがねぇな!」

    もう、これで5回目ぐらい。

    「もっとー!」

    慎吾が珍しくわがままをいった。

    「もー!マジ疲れたー!
    続きは父ちゃんにやってもらえー(笑)」
    慎吾の頭をポンポンと叩きながら言った。

    「…オレ、父ちゃんいないもんねーだ」

    慎吾がスタジオを出て行こうとした。

    「あ。ごめ…」
    「いいんです!大丈夫です!」

    慌てて慎吾の後を追う。





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