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- 匿名
- 13/01/03 19:17:21
今回の衆議院総選挙の結果を受けて、不安定になっている人たちがいる。
筆者は、周囲の当事者の様子を見ていて、「炭鉱のカナリアに似ている」と、誰かが引きこもる人たちについて表現していたことをふと思い出した。そんな本人たちが「将来が怖い」などと不安がっているのだ。
「生活保護1割削減」に脅える女性
自分の特性などから仕事に就けず、生活保護を受給しているという首都圏在住の女性は、「生活保護が1割削減されるという噂がある。また、現金ではなく、フード券などの現物支給になるとの話も出ています。そうなると“フード券使えます”というステッカーが貼ってある店を見つけなければならず、店の人にも(受給者であることを)知られることになる」と、脅える。
また、いまアルバイトしている、都内在住の元引きこもり当事者の男性は、「最低賃金をなくすという流れになるんじゃないかとも感じられて、恐ろしい」と話す。さらに医薬品についても、生活保護受給者には原則的に、価格の安い「ジェネリック(後発医薬品)を使用すべきだ」という提言が、今年11月、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」でも示されたばかり。すでに、以前から、厚労省は各自治体に、生活保護受給者への投薬にジェネリックを使用するよう指導していて、この義務付けは自民党政権によって加速するものと思われる。
憲法9条改正問題のドサクサに紛れて
生存権が脅かされるのではないか
「ここ最近、怖いんです。役所の人が怒るんですよ。うつになりそうです」(当事者自助グループの関係者)
1年ほど前、「発達障害的な特性から会社を辞めざるを得なかった」という関西に住む30歳代の男性は、いまも失業集で、このところ落ち込んでいるという。「景気が大事だと言っても、“引きこもり”など、いまの社会に生きづらさを感じている人たちの問題は、自民党政治が続けてきたような旧来型の価値観がベースだとしたら、解決できないと思っている。だから“取り戻そう”という言葉を聞くと、げんなりします。
憲法改正も、9条の問題より、基本的人権の生存権が脅かされるほうが怖い。日本は元々、生存権を企業に依存しすぎてきたせいで、こういう生活障害が大量に生まれてきたと思っています。9条ばかり騒がれますが、ドサクサ紛れにコソッと生存権が脅かされそうな流れになっていて、何か気持ち悪いんです」これまで長年、自民党政権のつくってきた日本のシステムの結果が、時代の流れとともに、歪みや格差を助長して、生きづらさを感じる人たちを数多く輩出してきた面は否めない。
そんな人たちにとっては、2009年の政権交代で世の中が変わると期待していたら、その後の体たらくによって、民主党への幻滅が広がってしまったのだ。かといって、自民党総裁の「取り戻す」というフレーズは、かつての自分の状況とオーバーラップして、「悪夢のささやきのように響いた」と話す人もいる。民主党に幻滅を感じる一方で、自民党時代に戻したくない人たちの票が、2党以外の各党に分散してしまったようなのだ。「引きこもり問題を解消するには、国が国民の生活を保障して、富める人から貧しい人に利益の再配分をする、そして、あらゆる層の国民に公平なセーフティネットをつくるべきだと思うんです。しかし、それができない今は結局、経済力のある個人の家庭のなかで引きこもり当事者を抱え、家庭内で利益の再配分が行われてしまっている。本来、国は彼らが自立できるように雇用などのセーフティネットを充実しなければならないのに、経済力のある家庭に依存している。そういう国が、(引きこもりを抱える)家庭を問題視すること自体、責任転嫁だと思うんです」(前出の男性)自民党政権誕生で遠のく“社会”
自分の生活は自分で守るしかない
関西に住む、別の30歳代の男性も、非正規雇用の職に就いていたものの、会社の事情で辞めざるを得なくなり、次の職場がなかなか見つからず、数年にわたって「引きこもり」状態にある。自立をしようと考えるものの、なかなかうまくいかなかったという男性は、「怖さを感じてしまった」と話す。
「強制労働をさせられるようになるのではないかとかいう言説も、ネット上には溢れている。情報がないので本当かどうかはわからない。ただ、徴兵制とかになるのではないかとかいう声もある。若干、あきらめかけていた部分もあるんですが、今後、本当に仕事に就くことができなくなるのではないかという複雑な思いがあるんです」
今回の選挙結果を受けて、虚ろな社会がますます遠のいていく。そんな不安を感じると、彼は明かす。
ソース【ダイヤモンドニュース】
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