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>>614つづき
日米同盟に関して「アメリカは、日本と中国が戦争になったとき、本当に日本を守ってくれるのか?」という議論がある。
これについては、誰も断言できない。
ただ、アメリカが「尖閣諸島は安保条約の適用対象」と宣言しただけで、中国が大人しくなったのだから、現時点で日米同盟は役に立っている、と言える。
日米同盟が強固に維持できていれば、中国も対米戦争までは恐れて手出しをしないから、逆に平和を保てるのである。
■8.孤立化路線か、日米同盟路線か
こう見ると、日本は、中・韓・ロシア・アメリカ全部を敵に回した「孤立化路線」か、中・韓・ロシアに対抗する「日米同盟路線」しか、道はないということがあきらかになる。
前者は、まさに第2次大戦の構図で、日本必敗である。
戦いを避けて中国の属国となれば、チベットやウィグルの二の舞になる。
それこそ先の大戦で、国のために命を捧げた英霊に申し訳ないことになろう。
米国はまことに自己中心的な国で、自分勝手な要求を次々と押しつけてくるが、それを知った上で、なおアメリカと組む、というのが、日本のとるべき道だ。
その上で、アメリカの衰退を補完する形で、じっくり時間をかけて、日本が軍備強化を図れば、孤立せずに軍事的自立も果たせる。
ところで、戦前の日本はなぜ、必敗の孤立化路線を歩んでしまったのか。
プーチンはその遠因が日英同盟の廃棄にあるとする。
日英同盟のお陰で、日本は日露戦争を勝てたのに、第一次大戦では英国を助けるために、海軍こそ出したが、陸軍は出さなかった。
英国に助けて貰ったのに、英国の必要な時に助けなかった、という武士道にあるまじき行動をとったのが、孤立化の遠因だった。
今の日米同盟も、せめて集団的自衛権の解釈変更くらいはすぐにやって、たとえば日本海で米艦が危急の際には、すぐに自衛隊が助けに行くぐらいのことができないと、日米同盟も持たない。
●以上がプーチンの口を借りた北野氏の主張だが
こうして見ると、現在の国際情勢は戦前とよく似た構造をしている事が分かる。
氏の従来からの国際情勢の簡潔・明瞭な分析に、歴史的なパースペクティブが加わって、その主張はぐっと奥行きが増してきた。
(文責:伊勢雅臣)
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14/03/09 00:41:53