<飛び降り>中2の男子生徒死亡 いじめか 札幌

30日午前9時5分ごろ､札幌市手稲区前田8の15のﾏﾝｼｮﾝ(9階建て)屋上から､市立前田北中学(生徒数202人)の2年の男子生徒(13)が飛び降り､全身を強く打って間もなく死亡した｡遺書などは見つかっていないが､北海道警札幌手稲署は自殺とみている｡生徒は学校でのいじめを周囲に相談しており､同校はいじめが原因の可能性もあるとして調査している｡

同署によると､生徒は30日午前8時半ごろ､制服を着て自宅を出たが､学校とは別の方向に向かったため母親が学校に連絡｡担任教諭らと3人で自宅や学校の周辺を捜していたところ､自宅から約100ﾒｰﾄﾙ離れたﾏﾝｼｮﾝの屋上に立つ生徒を発見した｡
110番するとともに､名前を呼んで落ち着かせようとしたが､生徒は直後に飛び降りたという｡

生徒は前日の29日朝にも一時行方不明になったが､家族から届け出を受けた同署員が数時間後に自宅付近の知人宅にいるところを保護｡生徒は｢死にたい｣と漏らしていたことから､家族全員と担任教諭も交えて話し合うと､生徒は｢明日は学校に行く｣と応えたという｡

同校などによると､生徒は今年5月以降､学校を休みがちとなり､7月8日の三者面談で､担任教諭と母親に｢学校の人間関係で悩んでいる｡複数の友人に陰口を言われている｣などと相談｡教諭は友人を指導した｡

30日会見した同校の荒沢与志男校長は｢指導後(いじめが)改善されたと認識していた｡
このような事態を招き､学校としての対応の不十分さを反省している｡いじめが原因とも考えられるので詳しく調べたい｣と述べた｡市教委は調査委員会の設置も検討している｡