先週、鹿児島市のホテルと福岡県で、あわせて３人の子どもの遺体が見つかった事件。父親とみられる男と子ども２人は、福岡県から鹿児島に移動していて、警察は、男が無理心中を図ろうとしたとみて捜査を進めています。事件の経緯をまとめました。
この事件は、先月２６日の午後７時すぎ、鹿児島市のホテルの部屋で幼い男女の子ども２人が遺体で発見されたもので、警察がホテルの部屋に入った際、父親とみられる男が４階のベランダから飛び降り、重傷となっています。
警察の調べで、４１歳の父親とみられる男は、福岡県飯塚市の県営住宅で３人の子どもと暮らしていましたが、このうち２人の子どもとレンタカーなどを使い、鹿児島まで来たことが分かっています。
３人の足取りです。先月１８日、３人は福岡市で借りたレンタカーで宮崎県串間市へ移動。串間市は男の出身地でした。そして、レンタカーは、２５日に串間市で放置された状態で見つかり、車内には使われていない練炭が残されていました。
その後、通報を受けた福岡県警が、レンタカーの借り主である男の自宅を訪れたところ、室内で９歳の男の子が遺体で見つかりました。この９歳の男の子は、男の前の妻の連れ子で、男と一緒に暮していました。
一方、男と子ども２人は串間市でレンタカーを乗り捨てた後、公共交通機関で鹿児島市に移動したとみられ、２４日に事件現場のホテルにチェックインしています。
この日、３人がホテルまで移動したタクシーの運転手によりますと、男に「何をしに来たのか」と聞いたところ、「休みたかった」と話し、「どうしてこのホテルなのか」と尋ねると「修学旅行で泊まったことがある」と答えたといいます。
そして２６日の午前中までは３人の姿は目撃されていましたが、ホテルを特定した警察が夜、部屋に突入すると、子ども２人はすでに死亡していました。警察の司法解剖の結果、２人の死因は首を圧迫したことによる窒息死でした。
ホテルの部屋には、自殺をほのめかす宛名のない走り書きの遺書が見つかっていて、自分と子どもたちの葬儀を依頼するような内容も記されていたということです。警察は、男が無理心中を図ったとみています。
一方、男が暮らしていた福岡県飯塚市は、夫婦間のトラブルが絶えず、見守りや支援が必要な家庭として、これまでの１００回以上、訪問などを繰り返していました。
ホテルから飛び降りた際、重症を負った男は、現在、入院中で話ができない状態だということで、警察は、回復を待って事情を聞くことにしています。そして容疑が固まり次第、殺人の疑いで逮捕する方針です。