• No.4 スダレガイ

    26/06/26 09:20:39

    ■原稿料500ドルと引き換えにされる「真実」

     このシステムとの遭遇で最も背筋が凍る思いをしたのは、2018年に中国とカナダの間で起きた「人質外交」危機の時だった。バンクーバーで米国の逮捕状に基づきファーウェイの幹部が合法的に逮捕された後、中国はマイケル・コブリグ氏とマイケル・スパバ氏という2人のカナダ人を不当に拘束した。

     この対立の最中、ある中国人学者が私宛てにメールで「カナダの立場を解説する記事を北京の雑誌に書かないか」と、500ドルの原稿料を提示してきた。

     私は即座に断った。カナダの独立した司法制度に関する私の分析が、検閲官の手を逃れて無傷のまま掲載されることなどあり得ないと分かっていたからだ。

     中国共産党はその後3年間にわたり、スパイ容疑で2人のカナダ人を「合法的に」逮捕したと主張し続けた。もし私がその500ドルを受け取っていれば、私の名前は、同胞を人質に取っている習近平を正当化するために利用されていただろう。

     断りの連絡をした後、500ドル原稿料で依頼してきた学者からは、「決断を十分に理解し、尊重」と言いつつ、「アジア太平洋地域の経済・戦略情勢というより広い枠組みの中で、貴殿がよりご執筆しやすいテーマや視点がございましたら、ぜひお聞かせいただければ幸いです。貴殿の専門知識やご希望に基づき、内容を完全に調整することも可能です」とのメールが送られてきた。全然懲りていないのだ。

    続く

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