福島県の山間部集落で52年ぶりに赤ちゃん誕生、ベビー用品は住民や移住仲間が差し入れ

  • なんでも
  • 行方不明の餅
  • 23/12/18 13:04:06

 福島県金山町の山間部で先月、52年ぶりに赤ちゃんが誕生した。親となったのは、町外から移住した青沼大さん(30)、恵美子さん(41)夫妻。自宅では子育てをしながら野菜やコメを作り、ほぼ自給自足の生活を送っているという。青沼さん宅を訪ね、その暮らしぶりを聞いた。(薬袋大輝)

 金山町の太郎布(たらぶ)地区に入り、野菜を手にした女性に青沼さん宅の場所を尋ねると、「あそこの煙突がある家。52年ぶりの赤ちゃん誕生の取材ですか?」と笑顔で教えてくれた。町によると、正確な記録はないが、太郎布周辺の集落で直近で子供が生まれたのは、役場に勤務する52歳の男性が最後といい、赤ちゃん誕生は地域の話題になっているようだ。

 自宅を訪ねると、右耳に鉛筆をかけ、作業着姿の青沼さんが歓迎してくれた。玄関は工具でびっしり。和室の居間に入ると、薪(まき)ストーブの温かみを感じる。インドネシア産のコーヒーをごちそうになり、豆を焙煎(ばいせん)すると、10分ほどで水分が抜けた豆がパチパチと音を立て、部屋の中にコーヒーのいい香りが漂った。

 青沼さんは山梨県南アルプス市の出身で、北海道大学を卒業後、札幌市で4年ほど暮らしていたという。知人に紹介されて金山町の温泉を訪れ、炭酸や塩分、鉄分を含んだ良質な源泉がある町をすっかり気に入り、2020年夏に移住。昭和村の伝統工芸「からむし織」の技術を学んでいた恵美子さんと知り合い、今年6月に結婚した。

 夫婦は日頃、自家栽培のコメや野菜を食べ、飲み水や生活用水にはわき水を使う。購入するのはしょうゆや豆腐、納豆くらいで、食材は近所の人たちで交換し合っている。青沼さんは大工の腕も磨き、自宅のリフォームは自身の手で行ったという。この日は積雪から家を守る雪囲いづくりに汗を流し、「自分で作った家なので木の呼吸も感じる。生活の中に毎日発見がある」と語る。

 恵美子さんの希望もあり、群馬県から助産師を呼んで自宅で子供を出産した。11月3日に元気な女の子が誕生し、名前は「太郎布」の読みにちなんで「玉來(たら)」と名付けた。青沼さんは「『來』は、人と木が密接に関わり合った漢字。太郎布の暮らしにしっくりきた」と話す。恵美子さんは地域の風習にならい、出産から21日間、赤ちゃんと同じ部屋で安静に過ごした。恵美子さんは「子供の成長を日々感じている。この地域で伸び伸びと元気に育ってほしい」と願う。

 日々使用する子供のおむつや肌着、ベビーバスなどは、近隣の住民や移住仲間が差し入れてくれたものだ。「みんな家族のように子供の誕生を喜んでくれた。この町がより好きになった」と語る青沼さん。住民同士が助け合いながら、一緒に子供の成長を見守っていく。青沼さん一家を通して、地域の温かなつながりが垣間見えた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3b506c343a0643f3c68589c9f1faa73ff8720b73

  • 0 いいね

利用ルール・禁止事項をご確認ください
誹謗中傷、個人情報、プライバシーを侵害する投稿は禁止しています。
また誹謗中傷においては、法改正により投稿者の情報開示について簡易な裁判手続きが導入されております。

古トピの為これ以上コメントできません

ママ達の声投稿されたコメントを掲載しています

画像表示ON・OFF

    コメントがありません

※コメント欄のパトロールでYahoo!ニュースのAIを使用しています

新しいトークテーマを作ろう

子育てや家事、旦那に関する悩み相談、
TV、芸能人に関する雑談など何でもOK!

トピックランキング

もっと見る

コミュニティカテゴリ