19年前の木村拓哉ドラマ撮影中“流血事故”は報じられず…ジャニーズとメディアのズブズブ

そもそも、の話になるのだが、ジャニーズの性加害問題はジャニーズ事務所とメディアの問題だと思う。ジャニーズとメディアのもたれ合いが長い間続き、とくにテレビはジャニーズのスキャンダルをないことにしてきた。

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　性加害とは関係ないケースになるが、ジャニーズとメディアのズブズブの関係がわかる経験をしたのは約20年前。本紙が2004年1月29日付紙面で報じた木村拓哉主演ドラマ撮影中の流血事故。高視聴率を記録したアイスホッケーがテーマの月9ドラマ「プライド」（フジテレビ系）の撮影の休憩中の出来事だった。

　木村はホッケーのアイスパックを打つ練習をしていたが、それがスタンドに飛んでエキストラで参加していた女性ファンの顔面を直撃した。女性は前歯が折れ、裂傷を負う流血騒ぎになった。

　木村の高視聴率ドラマで事故となれば、トップニュースで取り上げる大事件。ところが、この事故はテレビで報じられなかった。事故から3、4日後、日刊ゲンダイが聞きつけて事故を取材、確認し、記事にすることになった。

　しかし、事務所に確認できない。ジャニーズは普段からストレートな記事を書いてきた日刊ゲンダイの取材はNGで連絡しても取り合わない。そこでフジテレビ関係者を通して確認して、スクープとして報じることができた。事故から8日後のことだった。

　事故を知りながらなぜメディアは報じなかったのか。

　たとえば、語り草の嵐のハワイでのデビューイベント。

　各社のジャニーズ担当者が丸抱えでハワイに招待され、大々的に取り上げた。ずっとジャニーズの言いなりだったのだ。そんなメディアがトップアイドル、木村のスキャンダルを取り上げるわけがない。

　すべてジャニーズに言われるがままというのが両者のこれまでの関係。今回の性加害もずっと、だ。せめて東山紀之やジャニーズをやめた近藤真彦がコメントする前に「知りませんでした」と語った藤島ジュリー景子社長に対し、記者会見を要求するくらいできないのか。

　リトマス試験紙的に両者の関係がわかるのは昨年はジャニーズ6組が出場したNHK「紅白歌合戦」。タレントには罪がないとはいえ、トップが「知りませんでした」という事務所のタレントを、大量に出演させるなんてあり得ないと思うのだが。

（峯田淳／日刊ゲンダイ）
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c54af444af35421cd378538a63f6ce16dbde078