- なんでも
- ポトス(永遠の富)
- 22/09/09 08:57:17
静岡県牧之原市の「川崎幼稚園」で通園バスに放置された河本千奈ちゃん(3)が死亡した事件で、通園バスが置かれた駐車場の片隅には8日、多くの花や飲み物、キャラクターが描かれた菓子などが供えられた。友達の手紙も添えられ、「なかよくしてくれてありがとう ずっとわすれないよ」と書かれていた。
千奈ちゃんと同じ3歳の娘を育てているという女性(30)は手向けられた花束の前にしゃがみ込み、手を合わせた。千奈ちゃんのためにスポーツドリンクを持参したといい、
「暑かっただろうな、苦しかっただろうなと思って」と声を震わせた。
自分の娘と重ねてニュースを見たといい、
「最期まで一生懸命、助けが来るのを待ってたと思うと……」と涙を浮かべ、冥福(めいふく)を祈った。
園児置き去り多発、識者「機器で防ぐ時代」
全国では、園児の置き去り事案が多く発生している。深刻な状況につながりかねないとして、識者は「ヒューマンエラーは機械で防ぐ時代」と強調する。
事件が起こるたび、再発防止策が叫ばれているが、悲劇は繰り返されてきた。
北九州市では2007年、施設の送迎車に園児
(当時2歳)が放置され、熱中症で死亡。
昨年7月には、福岡県中間市の保育所で、通っていた園児(当時5歳)が通園バスに約9時間置き去りにされて、熱中症で死亡した。
位置情報などが分かる小型発信器や体温を感知する赤外線カメラなど、子どもの安全を守る機器の開発や導入が進んでいる。
子どもの事故に詳しい医師で、NPO法人
「Safe Kids Japan」(東京)理事長の山中龍宏さんは
「意識改革などの再発防止策では、置き去り事故を完全に防ぐことは難しく、新しい対策が必要」と指摘する。
新たな機器について、
「行政は導入に対する補助金などの支援を考えてほしい」と訴えた。
自動車内装材を取り扱う商社「三洋貿易」(東京)は、今年5月、全国の幼稚園の運転手ら267人に置き去り事案の調査を実施。
直近1年で園児を残したまま車を離れたことがあると答えた15人のうち、3人は、それを認識していなかったとする結果を公表した。
同社は、海外で開発された
「置き去り検知センサー」の国内導入を目指す。
バスの天井に取り付けると、呼吸時の胸の動きなど、人の細かい動きを感知し、メールや警報音で知らせる。
三洋貿易PR担当の石森健大さんは
「幼児だけでなく、被介護者などの動きも検知できる。既存のバスに取り付けることもでき、テクノロジーで命を守っていきたい」と話す。
米国のスクールバスで導入実績があり、
来年度の国内市場導入に向けて、準備を進めるという。
読売新聞オンライン
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