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- サンセベリア(永久)
- 22/07/25 19:54:55
主婦のあかりさん(仮名)は、薬や手術を使わずに体の不調を治そうとする「代替医療」の情報を共有するサークルに参加していました。医療従事者や経営者、教師など60人ほどがメンバーだったといいます。
新型コロナウイルスの感染が広がった後、メンバーの何人かがワクチンに関する根拠の不確かな情報をサークルのSNSに書き込むようになりました。いわゆる“陰謀論”のような荒唐無稽な話も多かったと言います.
あかりさん(仮名)
「サークルでは『ワクチンは人類コントロールのためのもの』『ばく大な金儲けのために作られ、ワクチンを打たせたい組織による世界的施策である』といった考えが主流となり、皆がそれを信じていました」
サークルのメンバーは、「ワクチンは遺伝子を操作する」といった動画などを、外部からは見えないLINEやフェイスブックなどのSNSで共有し、閉ざされたコミュニティーの中で“誤情報”が蓄積されていきました。
それらを見るうちにあかりさんも「ワクチンは国や製薬会社による陰謀だ」と信じていました。そして、自身もサークルへの勧誘と並行して“ワクチンと陰謀論”の考えを広めていったといいます。
あかりさん(仮名)
「人助けをしているような高揚感がありました。人が知らない真実を知っているという、一種の優越感にすがっていた部分は大きかっただろうと今振り返ると思います」
ツイッターで違う意見に初めて触れて…
あかりさんが考えを転換するきっかけとなったのは、自分の気持ちの整理のために始めたというツイッターでした。タイムラインに流れてきた書き込みに”ワクチンの陰謀論”を否定する意見が複数あったのです。
それまで使っていたLINEやフェイスブックでは、同じ意見を持つ人たちと閉じたコミュニティーの中で情報を共有していましたが、これまでとは違う情報に触れたことで、”真実”だと信じていたことに疑問を感じるようになったのです。
あかりさん(仮名)
「タイムリーに生の情報が専門家から届くこと、リアルな現状が把握できること、私と同じような経験をされている方の新鮮な声が聞こえること、これらが私の頭の中をひっくり返していきました」
その後、あかりさんはサークルを退会し8月にはワクチンも打ちました。しかしそれには相当な勇気が必要だったと話します。
あかりさん(仮名)
私のいたグループは仲間意識が強く、違う考えの人は”排除”しようとします。そこから抜け出すには相当の勇気と覚悟が要ります。私がこれまでの自分の考え方や態度が間違っていたことに気付き、思想や思考を180度転換したことで、それまでの人間関係が破綻しました。
(いま悩んでいる方へ)
考え方を変えることを恐れないでほしいと思います。特に今回のような、自分自身はもとより周りの人の命に関わることは良く考えてほしいと思います。誤情報のコミュニティーを脱出しても、新しい社会生活はできます。
ワクチン誤情報 拡散しないためにどうすれば
一度信じてしまうと、なかなか抜け出せなくなる”誤情報“。私たちはどのように対応すればいいのでしょうか。ネット上の情報拡散について研究する専門家に聞きました。
国際大学 山口真一准教授 ネット上の情報拡散について研究している
国際大学・山口真一准教授
「1つ目は家族や友人などといった身近な人からの情報であったとしても、それをうのみにしないということです。
2つ目は拡散しようとする前に一呼吸置く。特に“怒り”と“不安”を感じた時ほどそのまま拡散してしまうのではなくて、『これ本当かな?』と立ち止まる。その上で他の情報源に当たってみたり、一次資料を確認したりするなどして、自分でしっかり考えて判断するのが大切です。
3つ目は分からないことは人に伝えないことです。調べても分からなかったら拡散しない。これだけです。拡散しないで自分でストップさせておく。そうすれば少なくとも自分がその誤情報を拡散する立場になることはないわけですよね。そのことを一人ひとりが守ることが非常に重要であるといえます。
全文はこちら
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0016/topic032.html
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