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- 匿名
- 22/05/22 13:18:16
5/22(日) 12:40配信
警備員の役割は得意先の安全を守ること。でも得意先には、なぜか警備員を毛嫌いする人がいて、ときには陥れようとしたり弱みを握ろうとしたりするため罠を仕掛けてくることがある。警備業界で体験した、ウソみたいな本当のエピソードを紹介したい。
■自家製ケーキのあま~い罠
皇族が利用される老舗の大手ホテルで、筆者が警備業務に携わっていたときのこと。
警備員は定期または不定期にホテル内を巡回して、安全の確保と異常の早期発見に努めている。
ホテルの内部を大きく区分すると、客用スペースと従業員スペースがある。客用スペースが全体の3分の2、従業員スペースが3分の1ぐらいの割合だ。従業員スペースには更衣室、休憩室、従業員専用の喫茶店、主厨房、和食調理室、中華調理室、パンやケーキをつくるベーカリーなどがある。
ある日の深夜、定期巡回で厨房に入ったら、奥にあるベーカリーから甘い香りが漂ってきた。今だったら衛生管理が徹底されて、常温保存はしないだろう。だが当時は、常温保存できるケーキが置かれていることがあった。人のこぶしより小さなものだが、ホテルの自家製だからけっこうな値段がついている。
取ろうと思えば取れるが、もちろん手は出さない。
巡回を終えて警備室に戻って上司に報告したら、「それは“罠”だから気を付けろ」といわれた。
早番のパティシエが出勤してきたとき、ケーキがひとつ消えていたとする。パティシエは自分の上司には報告せず、警備隊長にこう耳打ちする。
「時間帯からみて、犯人は警備員さんしかいませんよね。本当のところ、どうなんでしょうか」
隊長が夜勤の勤務者に問いただしたら、犯人は本当に警備員だったとしよう。パティシエは「今回の件は不問にします」と恩を売って、警備隊の弱みを握っておけば、もしもベーカリーで火の不始末やガスの元栓を閉め忘れたなどのミスがあったときに、見逃してもらおうという魂胆なのである。
火の不始末は警備報告書に記載されて、ホテルの防災課長が目を通す。不始末を犯した本人と上司が処分を受けるから、なるべく隠したいミスなのだ。
あのケーキは、ネズミをとらえる餌ならぬ警備員の弱みを握るための甘い餌として、はじめから余分につくってあったのかもしれない。油断は禁物である。
(まいどなニュース特約・平藤 清刀)
まいどなニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/f25db4933cbe9ea244e48ed50561547bd2cbbc21
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