- ニュース全般
- 尼子晴久
- 21/03/04 14:33:50
屋外で「密」を避けて楽しめるとして、コロナ禍で一気に拡大したキャンプ人気。設備の整った有料キャンプ場だけでなく、より野趣を求めて山や森、河原などに出向く人も増えています。その陰で問題化しているのが、ゴミや燃えた炭などの放置。誰が汚したとも知れぬその跡を、ただ黙々と片付け続ける愛好家たちがいます。
もうこんなこと、ヤメましょうよ―。
河原に黒々と残された炭の燃えカスに、焼け焦げた太い釘の数々、食べ残しに空き缶…。キャンパーらで作る任意団体「日本単独野営協会」(横浜市)のTwitterには、メンバーたちが清掃イベントなどで拾い集めた、ゴミや「焚き逃げ」跡がいくつも載っています。代表理事の小山仁さん(44)に聞きました。
この釘は、一体?
「キャンプブームで焚き火をする人も増えていますが、薪代軽減のため工務店さんや運送会社さんから建築廃材や解体パレットを安く仕入れたり、貰ったりする方が多くいらっしゃいます。そこに刺さっている釘を抜かずにそのまま燃やすため、焚き火跡に釘だけが残ります。近くで子どもさんが遊んでいることも、清掃中の方が踏んでケガをされたこともあります」
炭の燃えカスで地面や河原が真っ黒になっている所も…。
「私たちは『焚き逃げ』と呼んでいますが、炭は炭素という安定した元素なので、これ以上分解することはなく、理論上は土に還りません。ですから持ち帰りが必要なのですが、昔は一部で焚き火跡の炭は埋めて帰るものだと教えていたところもありました。現在それが蓄積され、ある野営地では、雨が降るとあちらこちらから汚い炭が浮き出てきて、テントもろくに張れない状態になっています。
これは、フロンガスの問題に似ていて、昔は直ちに被害が出るわけではないので、それでいいと思われているものでも、何年、何十年と経ってから致命的な問題が発覚することもあります」
キャンプブームで、ゴミの不法投棄も増加している?
「最近は安く手に入るテーブルや椅子、テントなどのキャンプ道具が多いため、特に大学のサークルなどで、お金を出し合って買ったものを野営地に持ち込み、帰る際に『これ、誰が持って帰るの?』という話になり、結局、1人千円くらいしか出していないし『面倒くさいから、そのまま置いて行っちゃおうぜ』となることが多々あります。そのため、野営地には時々、キャンプを楽しんでいた人が忽然と姿を消したかのように、丸々キャンプ道具を残したまま帰ってしまっているという、昔にはあまりなかったことが起きています」
まいどなニュース 3/4(木)
- 0 いいね