テレビのコロナ報道「煽りすぎ」招く深刻な分断 高齢者向けに視聴率獲得も「見ない層」は反発

  • ニュース全般
  • 成田甲斐
  • 21/01/20 10:22:08

テレビのコロナ報道「煽りすぎ」招く深刻な分断
高齢者向けに視聴率獲得も「見ない層」は反発

2021/01/14 13:00

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・“危機感をあおる”テレビ報道が目立つ
・高齢視聴者が多い番組ほど不安に応えるように
・テレビを見ない人が高齢者向け番組に反発
・分断の修復はすぐには難しい
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【写真】今のテレビ情報番組は高齢者からの視聴率獲得に目が行きすぎてはいないか(brightstars/iStock)

東京と神奈川・千葉・埼玉の1都3県に再び緊急事態宣言が発令された。

この二度目の宣言に関して各報道機関やSNSでは、さまざまな意見が飛び交っている。「遅すぎた」「罰則規定も入れるべき」というものもあれば「飲食店への狙い撃ちには疑問」「実効性はあるのか?」というような声もある。

また日本医師会などによる「医療崩壊の危機」「すでに崩壊は起きている」という見解もある一方で、「『崩壊』は大げさだ」「新型コロナの患者を受け入れない医療機関が数多くある」という指摘も存在する。

またGoToキャンペーンに関しても「GoToが感染拡大の元凶なので中止すべき」という意見と「旅行・飲食業界など経済を回すには必要」と言う意見の双方が見られる。

それぞれ前者にも後者にも一定の論拠はあり、ここではそれぞれの「どちらが正しいか」は問わない。

■“危機感をあおる”テレビ報道が目立つ

そんな中で、目立つのはテレビのワイドショーなど情報番組による「遅すぎた」「医療は崩壊の危機」といった〝危機感をあおる系統〟の報道だ。

そして「テレビがあおっている」という指摘も目にすることが増えている。

この危機をあおりがちな傾向は、新型コロナウイルスの感染が拡大しつつあった昨年の春からすでに始まっていた。

感染症の専門家が次々と画面に登場しては「クルーズ船の感染対策はまるでなっていない」「日本の対応は各国に比べて後手すぎる」と、新型コロナへの〝恐怖感〟を伝えながら政府・自治体などへの批判を繰り広げた。

そして「PCR検査を!」「なぜすぐにPCR検査検査が受けられないのか?」という「PCR問題」にスタジオトークで多くの時間を割いた。

苦渋の表情で悲観的な観測をする〝専門家〟が重宝されて、連日番組に登場したのである。

それらは、少々不謹慎な表現をすれば「コロナバブル」だった。

視聴者は不安・恐怖心から「コロナネタ」を熱心に見てくれる。

外出が怖いので家にいてテレビを見る機会も通常よりは増えている。

つまり、コロナを扱えば扱うほど「視聴率」が取れたのである。(略)

午前中の情報番組・ワイドショーを見ているのは、在宅の女性と高齢者がメインである。

とくに高齢者にとっては、コロナウイルス感染による死亡率が高いため、「怖い」という感情が強い。

それゆえに「感染者数は今後どうなる」「医療体制は大丈夫か」という情報を追い求める。彼らにとっては「自らの命」が心配で仕方がないのだ。

政府や都道府県などの「お上」に対しても、感染への対応を強く求めていくようになる。

NEXT>>1 高齢視聴者が多いほど恐怖を煽る傾向に

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    • 9
    • 甲斐宗運
    • 21/01/20 18:47:09

    コロナ前の竹下通りの映像を使って「竹下通り混んでます!」と嘘の報道もあったよね
    品川駅の通勤風景も望遠で撮影して密になってるかのように毎日報道。

    「テレビや新聞は嘘つかない」と信じている子供や高齢者は真に受ける。

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    • 服部半蔵(強い)
    • 21/01/20 11:59:00

    坂上忍にも言ってくれ

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    • 吉川元春
    • 21/01/20 11:42:12

    過剰な煽りは良くないけど、逼迫してる医療現場や重症で亡くなっていく現実、後遺症の事など、事実は報道して欲しい。
    逆に食べ歩きやバラエティーなどは少し自粛したほうがいいと思う。
    未だに危機感ない人いるから。

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    • 北条氏綱
    • 21/01/20 11:37:05

    高齢者、ワイドショーで脅されてるのにフラフラと夫婦揃って鼻出し
    毛羽立ち不織布マスクでスーパーで買い物してたり、邪魔な場所で
    井戸端会議を大きな声でしてたりするけど、自分たちは大丈夫って
    思ってるんだろうな。
    で、人がそれをやってると危機感が無いだとかご近所さんに言ってたりね。

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    • 片倉小十郎井伊直政
    • 21/01/20 11:32:13

    最近の報道は、あまりにも事実を無視していて、マスコミの主張や社会不安を煽るものが多すぎる。
    ネットが全て正しいとは思わないけど、情報源が多いぶん、比較参照すれば、より正しい情報に近づけると思う。

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    • 猿飛佐助(強い)
    • 21/01/20 10:59:22

    政府の対応もいいとは言えないけど、「政府の対応がー!」とか批判しているTV局の番組でマスクをせずに大騒ぎしている芸能人や司会者、コメンテーターをみているとイラッとする。
    そんなんだから芸能人の感染者が増えているんじゃないの?

    • 4
    • 21/01/20 10:39:13

    高齢者は暇だから常にテレビかラジオだもんね。
    報道に関して疑問を持つ事もないのかなあ?
    私の母も70になるけど、テレビであー言ってた、こう言ってたって私の息子(社会人)に言ったらテレビばっか観て何でも信じて!!
    って怒られたってこの間愚痴ってた。笑

    若い子の方が色々気付いているし、調べているから誰かがやっぱり盲信者には言わなきゃダメだよね。
    そろそろ酷い煽り報道はクレームでなくなってきそうだけどね。
    政府のやり方にさえ疑問を持たない人が収束を送らせているのにね。

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    • 柴田勝家
    • 21/01/20 10:27:44

    なるほど、ターゲットの高齢者を脅して視聴率を取るわけね。

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    • 成田甲斐
    • 21/01/20 10:22:20

    ■高齢視聴者が多い番組ほど不安に応えるように

    そこで多くの高齢者に見られているテレビ番組は、そんな高齢者の「不安」に応えるような番組作りを行っていく。

    高齢視聴者が多い番組ほど、その〝期待〟に応えている。「このままだと感染者激増」「医療崩壊の危機」「PCR検査をなぜ受けられないのか」と、高齢者の不安を〝代弁〟するような形の放送を行っていく。

    「試聴者のみなさん、不安ですよね。検査受けられないのはオカシイですよね」

    「出歩いたりすると感染者数が増えて、医療が崩壊します」

    「年配の方は感染したら即、命が危ないです。でもこれだけ若い人は遊んでいます」

    「それなのに政府は何をやっているのでしょう?」

    視聴者の心理は不思議なもので自らの「不安」を形にして放送してくれると、それを見ることで「みんな一緒で、みんな不安なんだ」と安心(?)するようなところがある。

    テレビによる一種の「共感力」なのであろう。(略)

    とくに60代以上の高齢者の中には「情報源はテレビだけ」というケースも少なくない。

    スマホやパソコンを使う人は主流でなく、ネットの情報をいっさい目にしない高齢者もいる。

    そして新聞も、テレビ欄を見るくらいで中の記事を精読する高齢者は少数派だろう。

    高齢者が「コロナへの恐怖心」からテレビを見ると、そこでは自ら共感できる内容を放送している。

    こうして歪んだ共感力によってコロナをあおったテレビ番組は高い視聴率を獲得していったのである。その番組内容や出演者のコメントなどがネットニュースでも数多く取り上げられた。

    ネットユーザーはそうしたテレビ番組の視聴者のように高齢者が多数ではない。

    自らネットで、さまざまな視点からの情報を集めているケースも多い(その情報の正確性や、集めるユーザーの視点が正しいかどうかは別として、である)。

    ネットユーザーから見ると高齢者向け番組の内容は、「情報へのアクセス力が弱い高齢者に対して」「いたずらにコロナの恐怖をあおっている」ように見えてしまう。

    ■テレビを見ない人が高齢者向け番組に反発

    そしてそのような内容を放送する番組とテレビ局に対して反発を覚える。同時にそのような内容を「テレビがそう言っていたから……」と〝鵜呑み〟にしてしまう視聴者=高齢者層に対してもネガティブな感情を持ってしまうのである。

    コロナ禍で会社の業績が落ちて給料が減った人、さらに仕事を失った人もいる。

    感染を避けるためにマスクをして、混雑している電車に乗って仕事にいく。

    「コロナとどのように共存して、生活を成り立たせるのか」

    朝の時間帯にテレビを見ない人が、高齢者向け番組の内容をネットで知り反発する。

    一方の高齢者はネットを見ないので、自分たちがネットユーザーにどのように思われているかを知ることはない。

    このように昨年来の「コロナバブル」は、高齢者向けの番組にとっては高視聴率という〝成果〟をもたらしたが、一方で番組を見ない層との間に「分断」を引き起こしたのだ。(略)

    コロナバブルによって、朝の情報番組を見る高齢者と、見ない年代は双方が「理解し合えない」ことが一気に増えてしまった。(略)

    ■分断の修復はすぐには難しい

    (略)

    テレビの制作者、とくに「コロナ報道」に関しては、自らが作る番組の内容が視聴者の「分断」を招きかねない、すでに招いているということを強く肝に銘じる必要があるだろう。

    私自身、いまも報道情報番組に携わる立場として、必要以上にあおらず、フェアに伝えることを自らに課していきたいと思っている。

    東洋経済オンライン
    https://toyokeizai.net/articles/-/403496

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