- なんでも
- 享和
- 20/02/08 10:47:36
冷蔵庫のドアポケットに、ついたまってしまう使い切れない調味料-。消費税増税後、自宅で料理を作って食事をする内食回帰が進んでいる。調味料を無駄なく使えば味のバリエーションが増え、時短や節約にもつながりそうだ。(榊聡美)
【作り方】ソースとケチャップで作るハヤシライス
■デミ缶・ルー不要
揚げ物などに“かける”以外の出番が少ないために残りがちなのが、「ソース」と「トマトケチャップ」だ。この2つの常備調味料を組み合わせると、洋食の定番メニューが手軽に作れる。
カゴメ(名古屋市)とブルドックソース(東京都中央区)は、競合するメーカー同士ながら“禁断のコラボ”と銘打って、ソースとケチャップを使った洋食のレシピを共同で開発。スーパーの店頭やウェブなどを通じて洋食メニューの提案を始めた。
ソースとケチャップを3対5の割合で合わせてハヤシライスに=レシピ。煮込みハンバーグは2対1、ビーフシチューは1対1、という具合に合わせると味が決まる。
「わざわざ缶詰のデミグラスソースやルーを買わなくても、家にある調味料で、1人分から作れるのが利点。ハヤシライスは15分で出来上がりますが、長時間煮込んだような色合いとおいしさが楽しめます」
カゴメマーケティング本部食品企画部主任の松尾康秀さんはこう説明する。ケチャップは加熱調理すると酸味が抑えられる。子供も食べやすく、シニアにはどこか懐かしい甘みのある味わいに仕上がるとか。
■しょうゆ代わり
タイやベトナム以外の料理に使いにくいエスニック調味料や、1回の使用量が少ない辛み調味料も使い切るのが難しい。調味料関連のレシピ本を多く手掛けている料理研究家の青木敦子さんに、それぞれの活用法を聞いた。
小魚を塩漬け発酵させた魚醤(ぎょしょう)「ナンプラー」は、卵かけご飯やチャーハンなど、しょうゆの代わりに使える。ナンプラーで味付けした鶏がらスープで鍋にするのもお勧め。ただし、「しょうゆより塩分が高いので控えめに。味を見ながら少量ずつ加えるのがコツです」と青木さん。
春巻きなどに用いられる「スイートチリソース」はしょうゆと相性がいい。そばのつゆに入れたり、おでんの具にかけたり。スープやラーメンはサンラータン風の味に早変わりする。
■マンネリ解消
辛みが効いた「トウバンジャン」は、ホワイトシチューや照り焼きのたれに加えると甘さが引き締まり、大人の味になる。意外な使い方はココアの“ちょい足し”。寒い日に飲めば体の芯からポカポカと温まる。
「ユズコショウ」は和食に使うと、爽やかな風味が加わって料亭風の味になる。だし巻き卵はだし汁に溶いて。サバのみそ煮は青ユズの香りを生かすため、最後に煮汁に溶き入れる。
辛みのない「粒マスタード」は多量使いできる。肉を焼く前に表面に塗ったり、パスタソースにも。生クリーム、粒マスタードを混ぜて塩で味を調え、ゆでたパスタにあえる。
「納豆に入れてもおいしい。プチプチとした食感、酸味が加わってイケます」
さまざまな調味料を納豆や市販のドレッシングなど、毎日のように口にするものに混ぜると味に変化が出て飽きずに食べられる。「和・洋・中・エスニックのジャンルにとらわれず、意外な組み合わせを楽しみながら料理の幅を広げれば使い切るのは簡単です」
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