- なんでも
- 元禄
- 19/12/13 09:08:43
高校は裏口入学、大学は替え玉受験...。ニトリ創業者が実体験から導き出した「成功の5原則」とは
『ニトリ 成功の5原則』(似鳥昭雄著、朝日新聞出版)の著者は、いうまでもなくニトリホールディングスの会長。同社は30年連続増収増益を続けているだけに、そのキャリアもさぞや華々しいものであろうと思わせます。が、実際のところはそうでもなさそう。というより、著者がたどってきた道筋にはこちらの想像を超えたものがあります。
たとえば私が高校に入学できたのは、裏口入学したからです。受けた高校を全部落ちてしまったので、ヤミ米屋をやっていた母が、最後に落ちた高校の校長先生に米俵を1俵送って、補欠合格ということで入れてもらったのです。(中略)大学は、四年制大学は全部落ちたので、短大に行ったのですが、実はそれも替え玉受験でした。それぐらい、出来が悪かったのです。
(「序章 人も会社も、原則は同じ」より)
卒業後は、父親が経営していた住宅基礎工事を請け負う会社に入ったものの、こき使われるのに嫌気がさして家出。次に就職した会社も半年で解雇され、その後も10社くらいの会社に断られ、その結果「死のう」と思ったのだとか。でも死ぬ前にクビになった会社に行き、「なんでもするので、また雇ってください。そうでなければ、ここの玄関で首を吊るしかありません」と告げたところ、「死なれたらたまらない」ということでふたたび雇ってもらうことに。しかしまったく進歩がなかったため、「君は成長しないねえ」といわれてまた半年でクビ。
仕方なく土木工事の現場を渡り歩くも、家事で飯場を丸焼けにして失業。他にやることがなくなったので、お金を借りて、ただ「なんとか食べていければ」という考えから23歳のときに商売をスタート。それがニトリの創業だったわけです。ただし家具屋にしたのも、近所には他に家具屋がなかったから。しかも対人恐怖症で、接客がまったくできなかったのだとか。
他人事として考えればおもしろすぎるので、読みながら少し笑ってしまったのですが、つまりはすべてが行き当たりばったりだったということ。しかし、それから30数年後の2003年には「株式会社ニトリ」として100店舗、売上高1000億円、利益100億円にまで成長したわけですから、なんとも極端な展開です。著者自身も、若いころとの落差の大きさには驚いてしまうといいますが、落ちこぼれのいじめられっ子だった自分が大きな成功を収めることができたのは、考え方が大きくかわったからだといいます。
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