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- 宝亀
- 19/07/31 18:05:48
6月、大阪・守口市にある障害者福祉施設で、12歳の男の子が食べ物をのどに詰まらせ死亡していたことが分かりました。
食べ物を細かく刻まなければ飲み込むことができなかったのに、通常の食事が出されたということで、
父親は「息子は苦しかったと思う。許せない気持ちでいっぱいだ」と話しています。
6月15日、守口市にある障害者福祉施設「桜の園」で中学1年生の伊藤健斗さん(12)が
昼食をのどに詰まらせ、意識不明の状態で病院に運ばれました。
健斗さんは搬送から20日後の7月5日に死亡しました。
両親によりますと、健斗さんはあごの筋肉の力が弱く、食べ物を細かく刻む必要がありますが、
施設ではから揚げやミートボールなどを細かくせずに出したということで、
のどにはこうした食事が詰まっていたということです。
健斗さんは、特別支援学校に通っていて、3年ほど前からこの施設で障害のある子どもを放課後などに預かる、
「放課後等デイサービス」を利用していました。
両親は施設側に食事上の注意点を伝えていましたが、当時はふだんとは別の職員が担当していたということです。
父親の文隆さんは、「食事への注意が引き継がれていなかったのではないか。息子は苦しかったと思う。
許せない気持ちでいっぱいだ」と話しています。
施設を運営する社会福祉法人「路交館」は、
「警察が捜査中のため詳しい状況は話せないが、大変な事態となり申し訳なく思っている。
二度と起こさないために最大限努力していきたい」と話しています。
【父親“本当に許せない”】
死亡した伊藤健斗さん(12)の父親の文隆さんがNHKの取材に応じました。
文隆さんによりますと、健斗さんは1人息子で幼いころに頭部の手術を受けた影響であごの筋肉の力が弱まり、
話すことや自分の力で食べ物をかむことができなくなったということです。
食事には必ず両親のどちらかが付き添って見守っていて
「食パンだったらハサミで細かく切ったり、牛乳を飲ませてあげたりして、
のどにつまることは防いでいました」と話しました。
これまで自宅でも食事中に食べ物をのどに詰まらせたことがあったため、「桜の園」の職員には
繰り返し食事の際に注意するよう伝えていましたが、事故の当日はふだんとは別の職員が担当となっていて、
通常の食事を細かくせずに与えたということです。
このため両親が職員から状況を聞き取ると食べ物を刻む必要があることを
伝えられていなかったと説明したということで、文隆さんは
「今回、連絡の不行き届きがいちばんの原因だったと思うし、いちばん無念だったのは
健斗個人がいちばん苦しかったと思うことです。人の命を預かる施設なのに危機感が希薄だったんじゃないか。
人の子を預かるんだから注意しないといけない。本当に許せない気持ちでいっぱいです」
と悔しさをにじませました。
健斗さんは海やプールが好きで、夏には九州の実家に帰り、海水浴にいく計画も立てていたということで、文隆さんは
「健ちゃんがいない生活は考えられない。毎日が火の消えたような状態でずっと寂しい思いでいます」
と話していました。
そして、
「今回のことを警告だと思ってこういうことに二度とならないようにやってもらいたい。
安心して通わせられるようになってほしい」と施設への要望を述べていました。
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大宝