- なんでも
- 匿名
- 18/02/06 20:29:15
定年を迎えた60歳以上の自己破産が増えています。
この世代の自己破産を「老後破産」と呼び、メディアでも度々取り上げられるようになりました。全体の破産債権者数は減少傾向にある一方で、老後破産は増えているようです。老後破産に陥らないために、老後破産の原因や、老後を迎えるまでにどのような対策が有効なのかを考えてみましょう。
日常生活の中、半数以上が「老後に不安を感じている」
まず、老後に対してどれくらいの人が不安を感じているか調べてみました。
内閣府が、日常生活の中で「悩みや不安を感じている」と答えた3,986人(全国18歳以上)に悩みや不安の内容を聞いたところ、「老後の生活設計について」と挙げた人の割合が53.5%でした。以下、「自分の健康について」(52.1%)。「家族の健康について」(42.1%)、「今後の収入や資産の見通しについて」(39.7%)と続きました。
実に回答者の半数以上が、老後の生活設計について不安を感じていると回答しています。なぜこれほどまでに老後に不安を感じている人が多いのでしょうか?
参考URL:内閣府「平成29年世論調査(5)日常生活での悩みや不安」
ゆとりある老後生活を望むなら、貯金額4200万円?
老後に不安を感じる理由のひとつが、老後資金の必要額が高額であるからです。
ファイナンシャルフィールドに掲載中の「ゆとりある老後生活を望むなら、貯蓄額4200万円?」を参考に、老後資金の必要額をみてみましょう。
老後の費用は一般的に65歳以降の費用と考えます。老後の高齢夫婦無職世帯の平均支出は、総務省「家計調査」(2016年)によると月約24万円です。
旅行やレジャーなどを含めるゆとりある生活費(生命保険文化センター。平成28年度)の平均金額は、月約35万円とされています。
総務省「家計調査」(2016年)によれば、世帯主平均年齢73.2歳で二人以上の無職世帯の実収入平均は約21万円です。
実収入平均の21万円から支出平均を引き、補填すべき貯蓄額を出してみましょう。毎月約24万円支出するならば、マイナス月3万円なので、年額であと36万円が必要になります。仮に65歳~90歳までの25年間と考えると、合計で900万円の貯蓄額が必要です。
また、ゆとりある生活を望む場合は毎月約35万円の支出になるので、マイナス月14万円。65歳~90歳までの25年間だと、老後に必要な費用は4,200万円となります。
夫婦で65歳までに4,000万円以上を用意しなくてはいけないとなると、不安になるのも当然かもしれません。これは平均的な例なので、もし収入が月21万円に満たなかったり、支出が毎月35万円以上かかったり、90歳よりも長生きするならば、さらに資金が必要になります。また、いくら貯蓄していても、お金の使い方に問題があれば破産してしまいます。
様々なケースが想定されるため、十分な資金を用意していても老後の不安が解消されない人が多いようです。
老後破産をしてしまう人たちのお金の使い方に共通点などはあるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の池田理明先生にお伺いしました。
老後破産を選択せざるを得ないご相談者には、ご自身で起業していた経営者が多い印象があります。たとえば、出版社や印刷業などで会社を興した人が、近年の書籍などのデジタル化によって、苦境に立たされているケースを多く目にします。
バブル景気で稼いでいた頃に比べて売上が落ちているにも関わらず、高齢であることも手伝って新しいことにチャレンジできず、会社経営は右肩下がり。60歳や70歳を過ぎて会社経営を辞めたいと思っても、運転資金の借入に個人保証が付いていて辞められないという相談が増えました。
特に、過去、羽振りが良かった人の方が生活レベルを落とせず、老後破産をせざるを得ないケースは少なくありません。
破産したあとの暮らしとしては、年金を頼りにした生活になります。住んでいた家は破産財団として破産管財人の管理下におかれ、換価後に債権者に配当されるため、多くは質素な住まいに住み替えます。
ただし、住宅ローンがオーバーローンの場合(東京地裁の運用では、住宅を売却して得られる金額よりも住宅ローンが1.5倍以上の場合)は、裁判所に認めてもらえれば手放さなくても良いケースもあります。
破産申立て自体は年齢で変わるものではないため、老後破産の手続きは通常の破産手続きと変わりません。先の例の場合、会社の破産手続きも必要ですので、弁護士費用や裁判所への予納金などで50万円程度はかかります。
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