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- 15/10/16 17:34:44
2015/10/16 07:15(コペンハーゲン/デンマーク)
【10月16日 AFP】デンマークの動物園が15日、来園者の子どもたちの目前でライオンの公開解剖を行った。同園側は「教育の一環」と説明しているが、動物愛護団体は「背筋の凍る見せ物」だと糾弾。一方、デンマーク国民の多くからは、同園を擁護する声が上がっている。
ライオンの公開解剖を行ったのは、デンマーク中部にあるオーデンセ動物園。同園は大型のネコ科動物が増え過ぎ、引き取り先も見つからなかったとして、今年2月に3頭のライオンを殺処分した。今回解剖されたのはそのうちの1頭で、生後9か月の時に殺され、この日まで他の2頭と共に冷凍保存されていた。
同国では昨年、首都コペンハーゲンにある別の動物園が、健康なキリンを殺処分して公開解剖を行い、非難の嵐が巻き起こっていた。
15日のイベントには、大人と子ども合わせて300~400人が集まった。中には4歳の幼い子どももいた。同園のガイド役が解剖で最初に行ったのは、舌の切除だった。
その後ライオンの皮が剥がれ、死んだ動物から出る臭いが辺りに充満し始めると、わずか数センチしか離れていない場所で見ていた子どもたちのうちの数人は、鼻をつまんだり顔をしかめたりしていた。
ある男の子は「見たくない」と言ったが、デンマークの公共放送のインタビューを受けたある女の子は、「面白かったけどちょっと気持ち悪かった」と話していた。
飼育員の一人は、なぜ健康で若いライオンが殺処分されたかを見物客らに説明。「もしそのまま生かしていたら、自分の姉妹や母親と交尾、つまり子どもをつくってしまうかもしれなかった。これは、近親交配と呼ばれる」
■世界各国から非難の声
デンマークの動物園では、動物の公開解剖は自然について子どもたちに教える方法の一つとされ、定期的に行われている。
昨年2月にコペンハーゲンの動物園が健康なキリンを殺処分して公開解剖した際には、同園の科学責任者が複数の殺害脅迫を受けた。
オーデンセ動物園は今年、ラクダやポニー、バク(鼻の長いブタのような動物)の公開解剖も実施していたが、その時にはさほどの注目も集めなかった。しかし15日のライオン解剖は、話が別だった。
13万5000人が、同園の公開解剖を非難するインターネット上の請願書に署名。その大半は、デンマーク国外の居住者だった。
これに対しデンマーク在住者の多くは、学校の秋休みに合わせて開かれたこのイベントには教育的価値があったと擁護していた。
■間引きは「科学的に有効」
動物愛護団体「国際人道協会(HSI)」欧州支部の広報担当者は同園を、死んだライオンを使って「背筋の凍る見せ物」をしており、その原因は動物園でネコ科動物の「無責任な」過剰交配が行われているからだと非難した。
これとは対照的にデンマーク動物愛護協会は、ライオンの解剖だけを非難するのはおかしいと指摘。「何百万ものニワトリがみじめな一生を送っている。でも誰も何も言わない」とツイッターに投稿した。
また欧州動物園水族館協会(EAZA)も、ライオンの殺処分は動物を一定数に保つという観点から「科学的に有効性が認められている」方法だと擁護し、教育目的での解剖も「妥当な選択肢」という見方を示している。
農業が経済の重要な一部を成しているデンマークでは、食肉解体場の社会科見学を行う学校もあり、動物の解剖に非難が集まることに多くの人が驚きを示している。(c)AFP/Sören BILLING
【 閲覧注意 】
http://www.afpbb.com/articles/-/3063302?pid=0 AFPBB News
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