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- 14/03/03 09:38:02
73歳高校生、思い出胸に卒業 県立道守高の服部悟さん 福井
産経新聞 [3/3 07:55]
県立道守高校(福井市若杉町)の卒業式が2日行われ、通信制で4年間学んだ73歳の服部悟さん(同市河水町)が卒業証書を手にした。
服部さんは不安をいだきながら入学したが、持ち前の明るさと熱心さで「あいさつ運動」を通して若い生徒たちとのコミュニケーションをはかって溶け込むなど、思い出を胸に同級生とともに巣立った。
服部さんは中学卒業後に大阪の贈答品会社に就職。地震で父親を亡くした母子9人家族で経済的理由などから進学を断念した。
大型自動車整備会社勤務を経て昭和60年ごろから同市農協に勤め、60歳を過ぎて紙問屋に再就職、70歳で退職した。
農協退職後に「それまで働きづめだったため、時間の使い方がわからない」など空虚感を覚えたため、紙問屋を退職後に一念発起。平成21年に同校に入学した。
当初「気恥ずかしさと勉強についていけるかの不安があった」という。
2年生のとき生徒会副会長を務め、朝登校する生徒があいさつをしないことに疑問を持ち、あいさつ運動を提案し生徒会として実行。
「生徒に笑顔が出るようになり、私に声をかけてくれるようになった。それで私も助けられ、続けられた」という。一方で、陸上部でマラソンも続けた。
式では卒業生121人(うち通信制53人)を代表して答辞を述べた。
式後、服部さんは「若い人を外見だけで見ていましたが、学校の生徒たちはみな素直なんです。素直すぎで自分を苦しめることが多いのでは。私の考えを変えてくれたのがこの学校です」と振り返った。
また、「これからも勉強を続けたい」と意欲を見せ、卒業後は放送大学で中国語を学ぶという。
同級生で生徒会長を務め専門学校に進学する渡辺将吾さん(19)は「最初はこんな人まで学校にと思った。生徒会をやってこられたのは服部さんのお陰。通信制の生徒は話をしない人が多い。服部さんは私にとって“2人目”のおじいちゃんですが、だれにでも気軽に話しかけるムードメーカーです」と話した。
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