ここ最近、社会全体の生活が夜型になっています。それによって睡眠時間が減り、朝起きられず、朝食を抜く…と生活リズムの乱れから、朝食をたべない人が増加しています。では、なぜ朝食をとることが大切なのでしょうか。
朝食の欠食率は、平成11年以降、全体的に男女とも増加傾向にあります。
「朝食抜き」のような生活サイクルを続けていると、労働意欲や体力に影響を及ぼします。
朝食は、元気な一日をおくるための準備運動であり、健康な心身を保つために不可欠なのです。
文部科学省の調査によると、「朝食の摂取状況とペーパーテストの結果との関係」について、「朝食をとらないことが多い、ほとんどとらない」という生徒よりは、「朝食をきちんととっている」という生徒の方が、各教科(国語、算数、理科、社会、英語)とも”テストの成績が良い”という結果がでています。
私たちのからだは60兆個の細胞でできており、その膨大な細胞の一つ一つにリン脂質が含まれています。リン脂質のなかでも重要なのが、コリンという成分で、記憶や学習に深く関わる神経伝達物質をつくります。
このコリンという成分を多くとった人の学習能力が25%もアップしたという実験結果があり、アルツハイマー病や認知症の予防効果などもあることで脚光を浴びています。
また、卵黄に含まれるコリンは、大豆の約3倍と多い上に、食品の中でも最も脳内に吸収されやすいという利点があるのです。
あなたは、免疫力を高める暮らしを実践していますか?便秘、肌荒れ、冷え性、さらに風邪をひきやすい、疲れやすい、イライラするなどは現代人に多い症状ですが、これらはすべて免疫力の低下と深い関係があります。免疫力アップには生活習慣、そしてなによりも食生活の改善がポイントです。そこで、お試しいただきたいのが、「たまご+野菜」に焦点をあてた食生活なのです。
全身をおおう皮膚や粘膜は外敵をはね返すバリアのようなものです。特に、鼻やのどの粘膜は、細菌が真っ先に侵入する場所。そこで、「皮膚や粘膜を丈夫にする」ことは、免疫力を強化し、外敵の侵入を防ぐことにつながります。それでもバリアを乗り越えて体内に侵入してきた細菌やウイルスには、血液中の白血球が素早く撃退します。そのために、「免疫細胞を強化する」ことが大切なのです。私たちのからだにもともと備わっている"外敵の侵入を防ぐ""入ってきても素早く撃退する"という、この2ステップの防衛・攻撃体制を「免疫システム」といいます。
角質細胞が積み重なってできている皮膚は、全身をおおってウイルスや細菌をはね返す、いわば防御壁です。いちばん外側の角質細胞は約4週間で再生するため、皮膚のバリア機能は保たれています。皮膚に比べ、粘膜の細胞は一層。傷つきやすい反面、すぐ下に血管が走っているので、良質のたんぱく質やビタミンAなどの栄養を取り込みやすく、再生しやすいのが特長です。全身の表面を守っているのが皮膚と粘膜で、それらが丈夫であることが免疫力を高める決め手なのです。
皮膚や口のバリアを突破して体内に侵入してきたウイルスや細菌を、免疫細胞である血液中の白血球が攻撃し、撃退します。白血球は血流にのって体内を循環する免疫システムの中心選手です。白血球の壁は、リン脂質レシチンとコレステロールなどでできており、これらを豊富に含むたまごは免疫細胞の強化に最良の食品です。
「日本人の食事摂取基準」とは国民の健康の維持・増進を図る上で、摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を厚生労働大臣が定めたもので、5年毎に改定を行っています。
卵の摂取量と動脈硬化性疾患罹患の関連は認められない。
2013 メタ・アナリシスより
卵の摂取量と虚血性心疾患や脳卒中による死亡率との関連はなく、1日卵を2個以上摂取した群とほとんど摂取しない群との死亡率を比べてみても差は認められない。
NIPPON DATA80より
卵の摂取量と冠動脈疾患罹患との関連は認められない。
JPHC研究より
日本健康・栄養システム学会理事長 茨城キリスト教大学名誉教授
品川イーストワンメディカルクリニック名誉理事長
日本動脈硬化学会名誉会員 国立健康・栄養研究所名誉所員