伊是名氏コラムを二重使用か 信じ難い非創造性

  • なんでも
  • 松田 隆
  • 21/05/03 11:53:32
社民党常任幹事の伊是名夏子氏のコラム「障害者は四つ葉のクローバー」の最新記事が、2日付けの東京新聞に掲載された。ところが、この内容が2日前に琉球新報Styleで公開されたものとほぼ同内容になっている。別媒体にほぼ同一の記事を送付したことになり、コラムニストとしてのモラルが問われそうである。

■東京新聞掲載コラムは2日前の琉球新報とほぼ同内容

 2日付けの東京新聞に掲載されたのは「障害者は四つ葉のクローバー」というコラム記事で、メイン見出しは「声上げる人は創造的」となっている。内容は車椅子ユーザーの筆者が、無人駅であるJR来宮駅に行く時に乗車拒否され、それをブログで書いたところ炎上し、誹謗中傷が今でも続いており、この件はさまざまな社会問題につながっていることを指摘するもの。その上で、声をあげるのはクレーマーではなく、クリエーターであると宣言して締めている。

 JR東日本は乗車拒否をしていないとしており(参照:社民党「伊是名氏に謝れ」声明の論理破綻)、実際に伊是名氏は目的地まで到達している。虚偽の事実を前提として、政治的な主張をする内容には呆れるしかないが、今回、その点は措くとする。

問題はこのコラムが2日前の4月30日に琉球新報Styleで公開されたコラム「100cmの視界から―あまはいくまはい―」の第96回の記事「クレーマーではなくクリエーターに 乗車拒否騒動から1カ月」と酷似していることである。

■オリジナル表現は17.7% 完全一致は79.8%



 分かりやすくするため、先に出された琉球新報Styleのコラムを琉球コラム、東京新聞のものを東京コラムとしよう。

 東京コラムは全776文字。このうち、琉球コラムと全く同じ表現が619文字、語句の順番を入れ替えただけの表現が20文字ある。それらを除いた東京コラム独自の表現は137文字に過ぎない。全体の17.7%であり、完全に一致する表現は79.8%、順番を入れ替えただけのものを含めると82.3%が琉球コラムと一致する。

 写真は2日掲載された東京コラムであるが、赤色地部分が完全に表現が一致する部分、黄色地部分は語句の順番を入れ替えた部分。オリジナル部分は色地がかかっていないところしかない。

 一致する部分とは、例えば以下の点である。

★先月、神奈川県のJR小田原駅から静岡県の来宮駅に行く際、来宮駅には階段しかないため、車いすの私は駅員から「案内できない」と乗車を拒否され、駅員さんと交渉を重ねました。それをブログで書いたところ炎上し、一カ月たった今でも誹謗(ひぼう)中傷は続いています。

★障害者差別解消法という法律があり、企業は車いすの人も他の人と同じように駅が利用できるよう努力する義務があります。



★それを拒むと批判されるのはきついです。そして声の上げ方を批判するのも、トーンポリシングという差別の一つの形です。

 順番を入れ替えた2箇所は以下のようになっている。

【琉球コラム】:丁寧な説明を何度も求められ → 【東京コラム】:丁寧に何度も説明を求められ

【琉球コラム】:4割以上の駅は → 【東京コラム】:駅の四割以上は

 全く同じ記事が両社で掲載されたのであれば、それは記事の交換の契約等で、両社が了承の上で出されたものと考えられる。しかし、ほぼ同内容、同表現となると、これは筆者が異なる媒体にほぼ同じ原稿を出して原稿料を二重取りしたと疑われても仕方がない。

続きます。

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ママ達の声

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    • 6
    • 里見義堯

    • 21/05/04 01:25:59
    中日新聞にも同じ記事あったよ

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    • 5

    ぴよぴよ

    • 4

    ぴよぴよ

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    • はいさいおばさん

    • 21/05/03 13:27:51
    長文でよく読んでないけど、要するに、あっちにもこっちにも同じ記事のコラムを書いた無能コラムニストって言いたいのね。

    • 11
    • 2

    ぴよぴよ

    • No.
    • 1
    • 松田 隆

    • 21/05/03 11:54:32
    続き

    ■同内容の原稿を2つの媒体に出す意味


    左は琉球新報Style、右は東京新聞

     東京新聞に電話をしたところ、警備担当者が応答し「休日のため対応できる人間がいない」とのことであった。琉球新報に確認すると、編集局の記者が対応してくれた。それによると、琉球新報と東京新聞は相互の記事を掲載する協定を結んでいるそうだが、コラムを共有するという話は聞いたことがないとのこと。「その記事に琉球新報掲載と書いてありますか?」と逆取材してきた。詳細が分からないため、コラム担当者から折り返し電話をするということで、後日、返事をしてもらうことになった。

     ライター業を生業としている者としては、ほぼ同内容、しかも同表現が8割近い原稿を2つの媒体に提出することは考えられない。同一筆者の同じ内容の記事が異なる媒体に出ていたら、媒体の信頼を著しく損ねる。同じ原稿で原稿料の二重取りが認められれば、ライターにとってはありがたいが、それをやれば、その後、まともな会社は相手をしなくなるであろう。東京新聞と琉球新報の間で(ほぼ同一の内容、表現のコラムが出てもいい)という取り決めがあれば話は別なのかもしれないが、そのような取り決めがされるとは考えにくい。



     実際、僕が執筆した「奪われた旭日旗」(月刊voice2017年7月号、PHP研究所)という記事は、PHP研究所から執筆依頼を受けた直後に、別の出版社からもオファーを受けた。「先約があるので申し訳ありません」と丁重に断ったが、それが普通のライターのとるべき方法である。

     同じ新聞という媒体でほぼ同一内容のコラムを出すのは一言で言えばライター・コラムニストとしての自殺行為。まともな神経をもった人間なら絶対にしない。

    ■8割前後をコピペして「創造的」

     東京新聞の姿勢も責められて然るべきである。琉球新報Styleに2日前に公開されているのであるから、当然、その中身をチェックし、提出された原稿とほぼ同じであることに気付かなければならない。その上で、「琉球新報とほぼ同じ内容、表現ですから、内容も表現も変えてください。それができなければ、他の話題で書いてください」と言うべきであろう。

     2日前に公開された記事を見過ごし(もしくは知りながら)、ほぼ同内容・同表現のコラムを公開するのは、お金を払って新聞を買っている読者を欺く行為と言える。

     伊是名氏も東京新聞も、あれこれと主張をする前に、まず、社会人として最低限のモラルを身につけるべき。8割前後をコピー&ペーストした記事を出して「声上げる人は創造的」とは一体何の冗談なのか。

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