【YouTubeで全国から受講生と講師が集まる個人塾】大学受験の桔梗会にインタビュー

塾インタビュー

岐阜県大垣市にある、大学受験の桔梗会。加藤哲也代表は自ら教壇に立つだけでなく、個人面談、受験戦略、日々のケアなど、日頃から生徒全員と密にコミュニケーションを取っています。そのかたわら、YouTubeやZoom、学習アプリなど最新ツールも同時に駆使します。自らも教育情報の発信者として活躍する、加藤代表にお話をうかがいました。

お話をうかがった先生

加藤 哲也(かとう てつや)先生
大学受験の桔梗会代表。1980年生まれ、岐阜市出身。大学在学時より塾講師を始め、2011年、大学受験の桔梗会を独立開業。
授業料3倍分の満足のいくサービスを提供する、塾は「講師」で売る、頼れる先生が変わらずに居続ける、がモットー。教科指導に加え、受験生ひとりひとりのキャリアデザインを見据え、合格率を大幅に上げる受験戦略「合格ストラテジー」を立案。
YouTubeチャンネル登録者数4900人(2022.8月時点)。

大学受験の桔梗会には、3つの強みがある!

ーー本日はよろしくお願いします。まずは塾の設立のきっかけを教えてください。

開業前は岐阜県大垣市の個人塾で中学生を対象に授業を教えていました。多くの生徒が高校受験に成功し塾から巣立っていくのですが、高校に入って勉強がわからなくなり塾に戻ってくるケースが起こるようになりました。しかし、その塾には高校生に授業を教えられるような講師がいませんでした。

高校の授業を教えてほしいという生徒のため、塾内に別ブランドとして塾を作ろう、となったのが桔梗会のはじまりです。そのタイミングで完全に独立しました。2011年の3月のことです。

ーーここ数年、全国から受講者の応募があるとのことですが、それはなぜだとお考えですか?

それは、桔梗会に3つの強みがあるからだと思います。

1つ目の強みは、YouTubeです。生放送で受験生はもちろん、保護者の方からも受験相談を受けています。そのおかげで、岐阜県にある塾ながら全国から生徒が集まっています。

2つ目は、蔵書数です。当塾には受験参考書が2,000冊以上、赤本が1,200冊程度あります。これは一般的な大手塾や少し受験参考書の充実した書店より多い数です。加えて、私がその中身をほぼ全部読んで把握しているので、「ここの大学の過去問は解いたことがあるよ。こういうことだね」と言えるくらいの細かさで生徒の指導にあたることができます。

3つ目は「私自身が直接指導する」ことです。よほどの難易度の世界史、物理、化学でない限り、全教科を直接教えています。今年から「情報」も教えることができるように私自身が勉強をしなおしているところです。

YouTubeなら、高校生にダイレクトに届く

ーーではまず一つ目の強みとして挙げられたYouTubeについてお聞きしたいと思います。なぜ、YouTubeを始めようと思ったのでしょうか?

うちは高校生のための大学受験対策塾です。「高校生にダイレクトに届くメディアは何だろう?」と考えた結果、YouTubeなら高校生も自分のスマホで見るはずだと気がついて、2015年から岐阜や愛知県内の受験情報を発信しています。

ーーすぐに反応はありましたか?

いいえ、全然(笑)。最初は動画を上げても、1週間で再生数10か15しかないのが普通でした。もう少しうまくできないかなと考え、市内在住のチャンネル登録者数万人のYouTuberで、かつメディアコンサルタントを行っている方に運営支援を依頼しました。撮影・編集を全面的に見直して以降、ようやく100本に1本くらいの確率で、注目される動画を作れるようになりました。それが2018年くらいで、その頃からYouTubeを見て入塾を希望する生徒が出てきました。

ーーいつごろから、現在の「生放送」スタイルを始めましたか?

2020年の冬ですね。2019年頃に、YouTuberの事務所に入りました。あるとき、事務所のマネージャーから「録画より生放送の方が向いているかも」とご提案いただきました。同じ頃、地元のコミュニティFMラジオの番組にゲスト出演し、30分ほど話す機会がありました。その際、初めてなのに意外と話せてしまったんです(笑)。そこで、YouTubeも生放送をやってみようと決めました。

YouTubeLiveで受験生からの質問に答える

ーーYouTubeを始めて入塾希望者が出るまでに3年もかかったとのことですが、それまでにYouTubeをやめようとは思いませんでしたか?

思いませんでした。続けられた理由が2つあります。まず私、感覚がズレてるんでしょうか。心が折れません(笑)。塾の授業を終えてから、夜中に動画を撮影してアップするだけで楽しかったんです。これが続けられた理由の一つ目ですね。加えて、再生数が0から10、10から100になるという小さな成功を、自分なりに楽しんでいたことも理由の一つです。
しかし3年間続けて効果が出なかったことで、私の動画の何が悪くて何が改善できるかを見てもらいたいという気持ちはありました。今ではコンサルティングのおかげで動画の質も非常に良くなっています。

ーー実際に、どんな方がYouTubeをご覧になっていますか?

主に3つのタイプに分けられます。

1つ目は、私と直接話したい、オンラインの授業を受けてみたいという、高校3年生です。岐阜、愛知県内は入試に小論文を課す大学が多くあります。ここ2年で小論文の添削をしてほしいという依頼が特に増えました。小論文は映像授業を見たり参考書を読むだけでは十分なレベルまで上達しません。
当塾では、生徒が狙う大学の過去問をメジャーなものからマイナーなものまで15年から20年分揃えています。それらを1年分ずつ渡し、私と一緒に添削していこうか、という風に私が関わり成績を伸ばし、合格に導きます。ニッチな供給かもしれませんが、そこに魅力を感じて来ていただく生徒は多いのです。

2つ目は、悩みを持った保護者です。有料でZoomを使って保護者のお話を30分聞くカウンセリングをやっています。通常期は1ヶ月に1、2件の申し込みですが、12月から2月くらいの受験直前期には1ヶ月20件程度の問い合わせがありました。

2021年の冬辺りから視聴者層の7割程度が45歳から55歳の方となりました。生徒が保護者に紹介してという形ではなく、保護者自身がYouTubeを見て申し込みや問い合わせをしているということになります。

3つ目は、地元に大学受験塾がない受験生や浪人生です。YouTubeの生放送をきっかけに北海道から鹿児島、過去にはオランダやシンガポールから申し込みもありました。

蔵書の数=合格の近道です!


ーー2つ目の強みについてお話をうかがいたいと思います。塾の蔵書数が多いと、なぜ受験に有利なのでしょうか?

大学受験のために英語を勉強したいとなったとき「なにで勉強しますか?」ということなんです。たとえば早稲田大学と日本大学では、同じ英語の教材を使うことはできません。

蔵書が多ければ、生徒が希望する大学のレベルに合わせた参考書や過去問をすぐにその場で「君にはこれだね」と、具体的に示すことができます。

成績が伸びない子の話を聞いてみると、自分のレベルに合っていない本を無理して使っているパターンも多いです。「確かにこの本は岐阜大学に合格するために使う本だけど、あなたはまだ英検3級レベルに到達してないよね。まずは英検3級レベルから始めようか、そのためのテキストはこれを使ってね」と、すぐに言える状態にしています。当塾では5教科7科目すべてにおいて、その生徒に必要な本をすぐに判断してこれをやってみようか、と渡して指導できるように準備しています。

図書館に行けば本はたくさんあります。しかし一利用者として本を適切に取捨選択することは非常に難しいことです。そんな時は図書館の司書の方にこんな本を探しているのですが、と質問をすると、その本はどの棚にありますよ、ということを教えてくれると思います。
私はそこからもう一歩踏み込んで、生徒という利用者がどんな本を必要としているのかという判断ができます。

ーー先生が過去問を非常に重視していることが伝わってきます。大学受験において過去問が大事な理由を詳しく教えてください。

私は受験校を偏差値ではなく、過去問で見ます。偏差値がいくつだからこの大学難しいよね、というようなことは考えません。というのも、生徒の性格や特長によって、それぞれ合格しやすい大学が変わってくるからです。

試験問題のボリュームが多く、難易度も高い問題を出す大学入試が合う生徒もいれば、やさしい問題でミスなく高得点を出す必要がある大学入試が合う生徒もいます。こういった生徒の特長に合わせた大学を勧めるには、入試問題の出題傾向を熟知する必要があります。そのため過去問が非常に重要になります。

生徒が志望する大学が明確であれば、過去問はさらに活用できます。英作文が出ないことが明確なら、その分、他の重要箇所を学ぶ時間にできる。その重要箇所の難易度も、過去問から判断し対策を導き出すことができます。

そのため、ありとあらゆる入試方式の過去問を収集しています。地方だとなかなか世の中に出回らないものもあります。そういったものもなんとか手に入れられるように努力しています。

指導方法は、合格のためならなんでもあり!

ーー桔梗会に通われている生徒の学力レベルや、どのような地域から通われているかについて、教えてください。

地元のトップまたは2番手の公立進学校における普通科の高校生が通塾層です。そんな生徒に対して、5教科7科目をサービスとして提供し、地元の国公立大学合格を目標としています。

また、岐阜高専の生徒を専門にしているコースがあります。高専の数学は普通科高校より難易度が高いため、対応できる塾が近隣にうち以外ありません。そのため、岐阜高専の生徒は滋賀県や愛知県からも来ます。

地元の普通科の生徒と岐阜高専の生徒、この2つがうちの教室に来ていただく主な生徒になります。

ーー通塾ではなくオンラインで受講している生徒についても教えてください。

オンラインの生徒は全体の30%ぐらいです。しかし、受験間際の10月以降になると急激に増える傾向にあります。駆け込みが非常に多いです。

オンラインは基本的に1対1の指導です。通塾の場合、私の授業は1対10ぐらいの集団授業です。この授業はそのままZoomで配信しているので、オンラインの生徒はこれをZoomで受講することも可能です。私以外の講師が指導する場合は、1対1の授業を行なっています。同時に学習アプリ、映像授業、学習管理システムも使用します。

つまり授業方法はなんでもありなので、大学合格のためにやれることはなんでもやる。これが個人塾のメリットだと思っています。

ーー受講コースについても、生徒ではなく加藤先生が決めているのですか?

はい。生徒ひとりひとりに、私が直接お話をうかがって「君ならこのコースだね」とコースと料金を提示しています。

ーー教室はどのような雰囲気ですか?

授業中以外は、自由な空気だと思います。私が生徒の前に立つ瞬間は締まった雰囲気を醸し出しますが、休憩中に「疲れたのでスマホいじっていいですか?」と言われたり「ちょっと駅前のカフェ行ってきます」みたいな話が上がっても全然気にしません(笑)。

YouTubeの視聴者からも講師を採用

ーー講師はどんな人を採用していますか?

2種類の講師がいます。まずは元生徒で、私の考えや教え方を十分に理解している人です。
元生徒の学生講師からすると、目の前の生徒は自分と同じ教材を使って勉強している生徒です。

学生講師がその教材を使って勉強をしなおすと、さらに高い解像度でその教材から学びを得ることができます。その細かな学びを生徒に教えてもらいます。学習計画も学生講師と生徒で一緒になって考えてもらいます。自分の合格体験を生かして生徒と一緒に勉強をすることがうちの学生講師の役目、ということになりますね。そのため、上からものを教えるような態度は取らないようにということも伝えています。

とはいえ、元塾生の学生講師だけでは私と同じような考えの人間しか集まりません。そのため、私とはまったく考えの違う人を集めるために、YouTube生放送の視聴者からも講師を採用しています。私が生放送で受験相談を受け、その後合格したという大学生たちを対象に3月くらいに生放送で「うちの塾で指導したい人はいませんか?」と募集をかけます。

YouTubeの視聴者だった講師たちには、主にオンラインでの授業を担当してもらいます。都内の難関大学生、高学歴の大学院生など、岐阜では出会えなかった人材に手伝ってもらっています。YouTubeで採用を行ったからこそ出会えた人材だと思います。

70歳まで生徒を直接指導したい


ーー3つ目の強みとして先生みずからが教えているということを挙げておられました。代表みずから、生徒を直接指導し続ける理由を教えてください。

生徒がどの程度勉強できたか、という点においてばらつきを出したくない、というのが理由です。たとえば数学の問題を解いてもらったとき「答えだけを書いてくる生徒」「解き方を省略する生徒」がいたら、私はやり直しを求めます。私が数学の問題の解答として求めているのは、ちゃんと論述があり、解く過程が明確に解答されているものです。

高いレベルを要求しますが、その高いレベルを担保するために私が直接現場で指導します。また、私自身が5教科を全て教えられます。それが当塾の特長でもあります。私が子どもと関わるのが好きで、生徒にごちゃごちゃ言いに行く塾になっています(笑)。ですが、私には「塾は講師で売る」というポリシーがあります。これをやめてしまったら、きっとうちに生徒はこなくなるんじゃないかな、と思います。

だから私は絶対に現場から離れません。現在、平日は4コマ以上、土日なら8〜9コマ教えています。このスタイルを70歳ぐらいまでは続けていきたいです。

「私を軍師として雇えますか?」


ーー大学受験の桔梗会を生徒にとってどんな塾にしたいですか?

家、学校につづく「サードプレイス」ですね。自分の生活の一部として、あたかもカフェに行って作業をするかのごとく、当たり前に塾を使ってほしいと思っています。毎日通って「今日は何をやる」「今日はこれをする」と、自分で目的意識を持ちながら学ぶことを毎日の生活習慣に落とし込んでもらえればと思っています。

ーー今、塾探しに迷っている保護者にメッセージをお願いします。

うちの塾は属人性の強い塾、すなわち私の個性が強く反映されている塾だと自覚しています。最新のICTツールや映像授業も併用します。華やかな内装や設備はありませんが、私が今まで培ってきた大学受験の知識があります。それを使い生徒ひとりひとりに、個別最適化した受験対策を立てていきます。

戦略だけでなく私は直接指導にも関わりますから、保護者の方から見て「私、加藤を軍師として雇えるか?」を、塾選びの判断基準にしていただければと思います。

ーー本日はありがとうございました。

取材協力:大学受験の桔梗会

〈取材監修:塾シル〉
〈聞き手:延藤素康〉
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