「教えない指導」で、なぜ坪田塾の生徒は自分から勉強するようになるのか? 坪田塾・中野正樹代表にインタビュー

塾インタビュー

坪田塾は、「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」(通称「ビリギャル」)の著者・坪田信貴先生が創業した学習塾です。現在、全国で22校舎+オンラインコースを展開し、入試本番で実力を発揮できるようにすることを意識した指導法が特徴です。坪田塾の先生の想いや指導について、坪田塾を運営する株式会社NEXT EDUCATIONの中野正樹代表にお話をうかがいました。

お話をうかがった方

中野 正樹(なかの まさき)代表
個別指導坪田塾代表
坪田塾の創業者、坪田信貴の右腕として、本部校の校長を務め、NEXT EDUCATION代表取締役に就任。米国の大学院で英語教授法の修士号を取得。
「ビリギャル」の妹を上智大学に合格させ、学年順位100番以下の生徒を東京大学に合格へ導いた。これまでに800人以上を“子別”指導し、保護者・生徒から絶大な信頼を得ている。

「教えない指導」で生徒を支える

ーー坪田塾の創業の経緯について教えてください。

2008年に名古屋に1校舎目を開校しました。先生が授業をしたり解説をしたりする従来の指導法ではなく、先生の役割は勉強の方法を教えることと、モチベーションを上げることにとどめ、生徒が自ら学び考える「教えない、支える指導」を目指す塾としてスタートしました。

まず、「教えない、支える指導」についてご説明しなくてはなりません。従来の学校や塾では、集団、個別指導に関わらず、基本的に先生は教える存在です。生徒は先生の講義や解説を聞くこと、つまり情報のインプットに勉強時間の大半を使っています。一方で、テストで求められるのは、問題を解く力、つまり情報をアウトプットする能力です。先生の話を聞いて、いくらわかったつもりになっても、問題を解く力は身につきません。

坪田塾では、テストで求められるアウトプットする力を伸ばす指導をメインで行っています。映画「ビリギャル」(※1)のモデルになったさやかちゃんも、こうした指導を受けた生徒の一人です。その結果、自ら考え、学ぶ力が身に付き、何より勉強が好きになって、いまだに勉強を続けています。今年アメリカのコロンビア大学の大学院に進学します。

(※1)ビリギャル・・・坪田信貴の著書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の通称。100万部以上のベストセラーで2015年に映画化された。

塾長の坪田は、のべ1,000人以上の生徒さんを指導した経験を経て(さやかちゃんもその中の一人です)、今の坪田塾の指導方法を確立しました。この指導方法をより多くの講師ができるようにすることで、教室も増えるし、よりたくさんの生徒さんを伸ばすことができると考えました。

私が入社して3年ほどが過ぎたころ、さやかちゃんの妹さんが入塾してきました。私が担当をさせていただいたのですが、正直プレッシャーというか、緊張しました。彼女は「英語の形容詞の意味がわからない状態」からスタートしたのですが、本当に頑張って最終的に上智大学に合格しました。一方で私自身も、講師の経験こそ浅かったものの、生徒さんと同じように指導の方法論を学んで実践すれば、生徒さんは伸びてくれるんだと自信にもなりました。

そういう私も、坪田塾の「教えない指導」で生徒が自分から勉強するようになるという話を聞いても、正直最初はピンと来ていませんでした。しかし、実際に生徒さんの学力が伸び、やる気になり、志望校に合格するのを見る中で、その有効性を実感し、またなぜこの方法が効果的なのかを理解するようになりました。

社会に出てからも役立つ学習指導

ーー指導方法について、具体的に教えてください。

入塾時には、生徒さんの学力だけでなく、心理テストで性格分析も行います。なぜなら、性格によって効果的なほめ方も異なるからです。他にも、論理的思考力や処理スピードを測るテストを受けてもらい、細かなアンケートを取ることで、生徒さん一人一人の興味関心や、憧れ、尊敬する人物など、子ども別に情報収集をして指導に生かしています。

いわゆる授業は行いません。先生がわかりやすく説明すると、生徒はいつまでたっても自分で考えたり調べたりすることができないまま、考えない大人になります。

個々の生徒さんの学力に合ったテキストを選び、先生は勉強のやり方を教えます。例えば、単語の覚え方や参考書の読み方、ノートの取り方、復習のやり方などです。

あとは、その方法通り家で勉強して内容をインプットし、塾での時間はその内容がちゃんとアウトプットできるかどうかを確認するためのテストを受けたり先生に質問したり、ディスカッションの時間に使います。

ここでも先生は教えることはせずに、質問を投げかけ、生徒が自ら考える環境を作り、できたこと、伸びたところ、頑張ったことをほめて生徒さんのモチベーションを上げるのです。

ここまで説明すると、本当に家で勉強ができるのかと不安に思われる保護者様もいらっしゃいます。「自宅で勉強できる子ばかりではない」「最初から家で勉強してくれるなら苦労しませんよ」と、ご指摘いただくことがあります。たしかに、おっしゃるとおりです。実は、生徒さんの勉強できない原因ははっきりしています。坪田塾ではこれを解決できるように指導しているので、徐々に自分で勉強できるようになります。

実は自分で勉強できない原因は「使っているテキストが現在の学力に合っていない」「勉強のやり方がわからない」という2点に集約されるのです。

たとえば高校2年生で、学力的に中1レベルでつまずいている生徒さんの場合、高2レベルのテキストを使い続けても本人にとって負担が大きすぎます。たとえるなら、腕立て伏せをやっと1回出来る状態の子に懸垂をやらせているようなものです。自信を失うだけで何の意味もありません。だから、まずは現在の学力に合ったテキストを使うことから始めます。

とはいえ、学力に合ったテキストを渡すだけで自分から勉強するようになるかというと、そういうわけでもありません。先ほどの高2の生徒の例で言うと、本人の学力に合わせて中1レベルのテキストを使っていても、一部わからないところは出てくるものです。

こういう時、先生に聞かないと進められないようだと、勉強はそこでストップしてしまいます。わからない内容に直面した時、解説の読み方や索引の使い方、辞書の引き方などを知っていれば、自分でどんどん勉強を進められますよね。そこで坪田塾では勉強のやり方から丁寧に指導しています。テキストをどう使えばいいか、何周繰り返して使えばいいか、辞書はどう使えばいいか、紙の辞書と電子辞書のメリット・デメリットは何かなど、できるだけ具体的に伝えています。

自分の学力レベルに合ったテキストを使って、予習・復習のやり方、ノートの取り方など勉強のやり方を教えてもらい、辞書の使い方も学ぶ。その上でわからない所に「?」を付けておいて、塾で先生に質問する。これが積み重なっていくと、受験までの勉強時間に圧倒的な差が生まれるんです。

従来の授業は、クラス全体を対象にしたもので生徒さん一人一人に向けた内容にはなっていません。これは先生が悪いのではなく、システムとしての限界なんです。授業ではなく、テキストで情報をインプットするスタイルだと、わかっている部分は飛ばして、苦手な部分にじっくり時間をかけて勉強できます。いわゆるインプットの作業に先生は必要ありません。勉強の方法さえ教えてもらえば、自分がわからない部分だけを自分で読んだり調べたりすればいいですし、塾ではテストや先生とのディスカッションなどのアウトプットに専念する方が、学習効率がいいんです。知識はアウトプットするときに記憶に定着するからです。ですので、坪田塾ではいわゆる授業は行っていません。

教室に来たら、自宅で学習した情報を使いこなすアウトプットに集中します。入試では、これまで勉強した内容をどれだけ使いこなしてアウトプットできるかが問われるわけです。教室でも、入試で問われる力を身につけるために時間を使います。

ーーアウトプットの指導について具体的に教えてください。

まずは自宅で勉強した範囲のチェックテストを解いてもらいます。解き終わったテストを先生が採点し、どれぐらい深く理解しているか、1対1の対話をとおして確認します。

たとえばチェックテストで正解した問題でも、たまたま正解しただけの可能性もありますし、選択問題では正解できるけど記述問題だと正解できない可能性もあります。先生は、間違えた問題を指摘するだけはなく、むしろ正解した問題について色々な質問を投げかけます。選択問題で正解していても、「なんでこれが正しいの?」と聞くと目が泳いだりします。生徒さんが答えをただ暗記しただけなのか本当に理解しているかをチェックし、理解できていないことを生徒さん自身に気づいてもらうことが重要です。このように質問を繰り返すと、次第に自分で考えるクセがついていくのです。

間違えた問題も、ただ「×」で終わらせてしまうのはもったいないです。理解は正しかったけど忘れてしまっていただけの場合もありますし、うっかりミスの可能性もあります。同じ不正解でも次に採るべき対策がまったく違うわけです。このように坪田塾の講師は、生徒さんがどこでつまずいているかをきめ細かく確認し、間違えた問題に対して適切な対応の仕方を指導していきます。また、生徒さんが自分でミスの原因を分析し、記録していく『間違いノート』という復習用のノートを作ってもらいます。これにより、自分自身がどういう種類のミスをする傾向があるかを気づくことができて、その結果ケアレスミスの数も減っていきます。

間違えた問題については、正しい解き方をすぐに教えることはありません。ここでもやはり、自分で解説を読んで、正しい解き方や理解ができるような方法を伝えます。もちろん最初は間違えた問題にうまく対処できず、止まってしまう生徒さんもいます。その場合は、必要に応じて問題の解き方を教えることもあります。それでも年間の指導の中で、最終的にはわからない問題に自分自身で対処できるようになっていきます。

受験勉強を通じて、自分が何がわかって何がわかっていないかを見極めて、つまり自分にとっての×を見つけて、それを〇にしていくことに慣れておくことは、その後の大学生、社会人になってからも大いに役立つはずです。なぜなら、受験勉強とは、いわば最初から解答と解法がわかっているゲームですが、その後の人生には唯一正しい正答はなく、まずは解答が決まっている受験勉強で、自分の課題を見つけ、それを解決している力を身に着けることが、社会という荒波の中で自ら最適解を導き出す必要が出てきたときに必要になるからです。

夢や目標の実現を明確にすることが日々の学習の継続につながる

ーーありがとうございます。教えない指導以外にはどのような特徴がありますか?

坪田塾では、個別指導を「子」別指導と言っていますが、生徒さんたちは、学力だけではなく、性格や目標・夢、価値観、育った環境、行動や思考のクセ、興味関心まで、すべて「子ども別」です。そこに先生が合わせていく塾です。

特に、受験勉強を始めるにあたって、目標設定は重要です。行く先決めないまま歩き始めるようなもので、志望校を決めずに「とりあえず勉強!」みたいな感じで始めてしまうと、大事な時間やお金を無駄にしかねません。

また、目標や志望校は自分がワクワクする、テンションが上がるものであることが重要です。「とりあえず平均を目指そうか」では、テンションが上がるわけがないです。

いくら自分から進んで勉強できるようになったとしても、長い受験勉強の途中で、勉強を続けることが辛くなることは必ずあります。その時に、そもそも目標がワクワクすることじゃなかったら、なかなか頑張れません。目の前の勉強が、夢や目標の実現にどうつながるのかを早めに明確にします。勉強が辛くなったときに目標に立ち返り、学習を継続できるように下地をつくっておきます。

夢や目標が決まっていない生徒さんには、生徒さんの興味関心や性格のタイプなどに沿って志望校を決めるところからサポートします。坪田塾には塾や学校以外の一般企業で働いていた講師もたくさんいるので、リアルな実状に沿った進路指導ができると思います。

夢や目標、志望校を決めるときには、選択肢を提案することはあっても、こちらから押しつけることはしません。あくまで生徒さん本人がどうしたいのかを中心に考えていきます。また、「今のあなたの成績だとこの学校にしか行けないからここにしなさい」という決め方も、違うと思います。そもそもそれを、志望校とは呼びませんよね。入試直前であれば、こういう進路指導も受験戦略上、必要になることはあると思います。ただ、入試本番まで一年ぐらい時間がある場合、その時点での学力で志望校を決めてしまうと、生徒さんの可能性を狭めることになります。また、勉強が辛くなったときに、「どうせ先生に決められた志望校だから……」という意識が生まれ、勉強をしない言い訳にもなってしまいます。これはもったいないことですよね。

繰り返しになりますが、重要なのは、本人がワクワクするような目標を設定する事です。本人が本当にやりたいことを尊重し、本当に行きたい学校を志望校にして、周りの大人がそれをサポートすることが、勉強を継続する原動力になります。

指導においての「子別」の例を挙げると、なるべく生徒さんの知識や興味関心に合わせた指導を心掛けています。たとえばサッカーが好きな生徒さんの指導をする場合、好きなサッカー選手やサッカーチームについて雑談することもありますし、勉強について解説する際にサッカーに絡めたたとえ話を挟んだりもします。たとえ話を使うと、生徒さんが話の内容をより自分自身の問題だと感じて、ありありとイメージしやすくなるので、講師のアドバイスを受け入れやすくなります。

生徒さんの中にはゲームが好きだったり、アニメが好きだったり、好きなYouTuberに熱中していたりする人もいます。そのため、坪田塾の講師はいろいろな分野に詳しくなっておかないといけないですし、調べるうちに講師の方もその分野にのめり込んでいくので、自然と多趣味な先生が多くなります。

興味関心だけでなく、生徒さんの性格に合わせて声の掛け方を変えたりもしています。入塾時に生徒さん全員に受けてもらう心理テストをもとにして、生徒さんの性格を9種類に分類し、それぞれに合った伝え方をしています。同じ内容を伝えるにしても、タイプによってすんなり聞いてもらえる伝え方と、聞いてもらえない伝え方があるんです。

例えば「楽天家タイプ」は、明るい未来をイメージさせてあげると、モチベーションが湧くタイプです。一方で、「堅実家タイプ」は、「物事をコツコツと順番にやっていくと3ヶ月後にはこういう風になるよ」と、細かい計画をイメージさせてあげることで効果が出るタイプです。もし逆に、楽天家タイプにコツコツ勉強するイメージで伝えると「めんどくさいな」と思われますし、堅実家タイプに明るい未来をイメージさせて伝えると「そんなうまくいくわけないよ」と思われて、反発される可能性もあります。こういったタイプを全部で9つに分類していて、講師はそれぞれのタイプに合わせて伝え方を変えられるように日々トレーニングをしています。

坪田塾ではどの講師も、どんなタイプの生徒さんにも合わせられるような指導を目指しています。講師が勘や経験則に基づいて生徒のタイプに合わせるのではなく、教育心理学や行動科学に基づいて、最低限科学的な指導を心掛けています。

こういったことを踏まえて生徒さんと向き合うことになるので、坪田塾ではメインで指導する先生は正社員が中心になります。「ビリギャル」のような塾の指導は、他の塾では実現できないと思います。

ーー「不登校の生徒におすすめの塾」としてメディアで紹介されることもあるようですが、実際のところはどうでしょうか?

不登校の生徒と通学している生徒を区別して対応することはありません。登校はしていても、先生と仲良くなかったり学校で居場所がなかったり、勉強が嫌いだったりと、学校に行っている生徒さんも、人間関係や成績、将来の事で日々悩んでいますし、不登校の生徒さんだけが特別という認識は特にないです。どんな生徒さんでも、それぞれの性格や興味関心に合わせて信頼関係をつくるところからはじめます。

なかには親御さんに無理やり連れてこられる生徒さんもいます。それでも坪田塾の講師から見ると、来てくれただけで「ものすごいやる気あるじゃん!」と思うんです。塾って、子どもにとってはどちらかというと進んでいきたい場所じゃないと思うんです。それでも来てくれたということは、心の深い所では、「今より良くなりたいし、頭もよくなりたい」という思いがゼロじゃない証拠なんです。「嫌だったのかもしれないけど来てくれてありがとうね。でもどうして来てもいいかなと思ったの?」などと聞いていくと、少しずつ心を開いてくれるんですよね。

そして徐々に生徒さんが興味のあることを質問していきます。入塾前のアンケートで好きな漫画やYouTuberについて書いてくれていたらそれを事前に読んだり見たりしておいて、「これ見たけどさ、おもしろいねー!」と関心を寄せると、「この人って自分に関心を持ってくれてる人なんだ」と思ってくれるようになります。自分の好きな話や得意な話は、質問されると誰でも嬉しいですよね? 自分の好きなことに興味を持ってもらえることは、自分自身に興味を持ってもらえると同じことだと感じるからです。

最近は坪田塾の説明会を一部オンラインで実施しています。コロナ禍をきっかけにオンラインコースを開校したのですが、現在も生徒さんの数は増えていて、北海道から沖縄、上海の生徒さんも受講してくれています。

なかなか家から出られない、学校に行けないという子どももたくさんいると聞きます。家にいながら坪田塾の指導を受けることができる生徒さんがどんどん増えていくといいなと思っています。

高校を途中で辞めても、高校卒業認定試験を受けて大学受験をする生徒さんもいます。世界は広いですし、人生は長いです。中学や高校に行けない、行かないことは、大した問題ではなく、そこからご自身の人生と向き合われる時に、坪田塾は生徒さんおひとりおひとりの人生を全力でサポートする塾でありたいと考えています。

坪田塾に通う生徒の特徴

ーーどの学力レベルの生徒が多く通っていますか?

学力レベルは非常にばらつきがあります。入塾前の成績がいくら悪くても入塾をお断りすることはないですし、「ビリギャル」のイメージから早慶志望の生徒も多く来てもらっています。もちろん国公立志望の生徒さんもいます。また、なんとなく坪田塾は文系に強い塾で理系には対応していないのかなと思われる方もいらっしゃるようですが、もちろん理系の指導もしていますし、医学部を志望して合格する生徒さんもいます。

ーーたくさんの生徒の逆転合格を実現させてきたなかで、生徒たちの共通点はありましたか?

坪田塾では、どんなタイプの生徒でも学力を上げられるよう指導しています。共通点といえば、生徒さんと信頼関係を築き、やる気にさせて、生徒さんがとにかく手を動かす状態をつくれたことです。なんだかんだ、手を動かし続けた生徒さんが伸びます。当たり前ですが、学力は勉強しないと伸びませんので。

講師はまず生徒さんに聞く耳を持ってもらえるように、入塾前のアンケートなどを読んでおいて、学力だけでなく性格や興味関心について熟知しておきます。生徒さんは、自分の事をわかってくれる人、少なくともわかろうとしてくれる人のいう事なら聞こうとします。逆に、自分の事をわかろうともしないくせにあれこれ命令や否定する人のいうことは聞きません。

なので、関係性を築くためにまずやることは、聞き役に徹することです。関係性とは、「この人は自分のためを思って色々言ってくれている。この人の言う事なら聞こう」と生徒さんに思ってもらえている状態の事です。そうなれば、多少厳しいことを言っても大丈夫です。もちろん、長い受験勉強の間には、時には厳しいことを伝えることも必要です。

ただの仲良しのことではありません。この人にならいろんなことを言える、でもどこかで尊敬している、すごいと思っていると思われる存在で、そこが難しくもあり醍醐味でもあります。

生徒さんが勉強につまずいたとき、坪田塾の講師がどのようにサポートしているかわかるコラムがブログに掲載されています。ご覧いただけると具体的にイメージしやすいと思います(※2)。

(※2) 公式サイトより一例。
「この世の終わり」みたいな顔で塾に来た生徒さんが、いつも通り一生懸命に勉強に取り組むようになった、たった1つの方法

このような積み重ねの中から、いわゆる逆転合格が生まれるのだと思います。

坪田塾のコース設定と料金について

ーーおすすめの週に受講する回数や、人気のオプションがあったら教えてください。

みなさんに一律におすすめしているコースはありません。あくまで生徒さん一人一人の志望校や今の学力、部活、経済的な事情などに合わせたカリキュラムをご提案して、それに沿って学習を進めるスタイルだからです。

料金は時間単位で決まっていて、1時間あたりだいたい2,000円前後です。教科は全教科対応していて、何教科でも料金は変わりません。

カリキュラムをつくる際は、最短距離で目標達成できるように、目標から逆算して計画を組みます。その結果1週間で必要な学習時間が、人によっては10時間になることもあれば、60時間になることもありますね。このうち塾で勉強できる時間が1週間に6時間程度の場合もあれば、頑張って30時間も確保できる場合もあります。部活と勉強を両立させたいと思っている生徒さんもいれば、高校を卒業してもう一度大学受験にチャレンジしようと思っている生徒さんもいるので、それぞれの都合を考慮して柔軟に対応します。

ただし、しっかり学力を伸ばすために、最低限必要な勉強時間は確保する必要があります。坪田塾では最低でも週に6時間は塾に来て勉強してもらうようなコース設定になっています。あまりに時間が少ないと学習の習慣がつきにくく、学習効果が望めないからです。高卒生(浪人生)は原則、塾が開いている時間はずっと塾で勉強してもらうコースのみになります。

週2回で十分な生徒ももちろんいますし、ひとりひとりの状況が違うので、授業料も当然異なります。かと言って高校受験が終わったばかりの高1の生徒に、「受験まであと3年しかないから毎日来なさい」と言っても、これも難しいですよね。

たとえば、高3の4月に入塾して、入塾時の学力テストの結果、英語が中2の復習から必要な生徒さんの場合、受験まで残り9ヶ月しかないので、できたら毎日でも塾には来てほしいわけです。本来は中2から5年間かけて学ぶ内容を残り9ヶ月でマスターしないといけないので、こういう場合は、はっきりと「来れる限り全部来てください」と最初の面談で必ず伝えます。

受験生以外の生徒さんも、英語や数学など積み上げ式の教科は早めに苦手ポイントや抜けているところの復習をしておいた方が、上位・難関校を志望する際にも有利になることは確かです。高2が終わるまでに基礎学習を終えておけると過去問の演習に十分な時間を取れるので安心です。その辺りのバランスも考え、入塾する時期に応じて、当然伝え方やカリキュラムの内容はそれぞれ異なります。

高3のゴールデンウィークごろには部活も終わりますが、高1や高2の生徒さんの中には、部活を頑張っている子も多いです。「学校のスケジュールに合わせながら、塾で学習習慣も身につけたい」という方にとっては、曜日や時間帯を柔軟に設定できますので、それぞれのニーズに合わせてコースをお選びいただけます。講師が正社員中心なので、どの曜日も同じ先生が教室にいます。そのため、学校の都合で通う曜日を変えることになっても、担当の先生は変わらずそのまま指導することができます。

常に入試本番を意識しつつも、勉強を楽しんでもらいたい

ーー教室の雰囲気について教えてください。

一般的に塾は静かなイメージがあると思いますが、坪田塾はどちらかというとにぎやかな雰囲気が特徴です。もちろん、ことさらうるさくする必要はありませんが、まずは何よりも、生徒さんたちに勉強を楽しんでもらいのと、もう一つは、試験本番に備えるためです。

生徒さんとのやり取りの中で、たまに珍回答がでたりします。そういう時は、間違いだからといって生徒さんの意見を否定するのではなく、せっかく自分なりに考えて発言してくれたわけですので、たとえば、「その発想メッチャ面白いよね!」など、まずはしっかりと受け止め、むしろ彼らのユニークな発想力をほめてあげるのです。

他にも、生徒さんの珍回答に対してツッコミを入れたり、こちらの質問に対していい感じで返せたときはハイタッチをしたりして、子どもを主人公にします。こういうことを繰り返すうちに、次第に子どもは意見を言う事に対する不安や恐怖を感じにくくなります。

特に子どもは自分の意見が間違っていたらどうしようと怖いので、なかなか発言することができないんですよね。もしかしたらそれは、これまでに何度となく自分の意見を否定されてきたからかもしれません。

誰でも自分の発した言葉に対して、大きな、しかもポジティブなリアクションを返してもらえると、すごくうれしいですよね。当然、勉強が楽しくなるだろうし、先生や塾が好きにもなります。そんなこんなで、他の塾に比べて坪田塾の教室はにぎやかかもしれませんが、これにはもう一つの狙いがあります。

試験本番が必ずしも静かな環境だとは限りません。本番の試験会場で、隣の受験生の貧乏ゆすりが気になって集中できなかったとか、問題文をブツブツ読みながら問題を解く人がいて集中できなかった、問題用紙をめくる音で気が散ってしまった、などの報告が毎年出てきます。また最近では、コロナ禍にマスクを着用しない受験生が、試験官に注意されて暴れ出すハプニングもありましたね。運悪くこういう事態に遭遇したからと言って、再試験が認められる保証はありません。

受験の本番は、言ってみれば「サポーターゼロ、完全アウェーの試合会場で最高のパフォーマンスを発揮することを求められたサッカー選手」のようなものです。普段から静かで集中しやすい場所でしか勉強をしていと、本番の時に緊張などで調子が狂い、頭が真っ白になるのも無理はありません。多少騒がしい環境でも集中できるように、普段から訓練しておく必要があります。

こんな狙いもありますが、説明会や面談で教室に来てくれた生徒さんには「すごく楽しそうだな」と思ってもらえることが多いようです。

坪田塾の指導をオンラインで全国の生徒に提供

ーーオンラインでも校舎への通塾でも、全く同じ内容で受けられるのでしょうか。

教室での指導とほとんど変わらない受講が可能です。もともと坪田塾の指導スタイルは、講師が生徒に付きっきりで教えるスタイルではありません。オンラインになっても、質問やテストはできますし、教室とやっていることは同じです。

なかなか自宅から出られない子や近くに学習塾がない子も大勢いると思います。そうした環境にいても坪田塾のメソッドで勉強をしたい方は、オンラインでの受講がおすすめです。

ーー坪田塾オンラインコースにかなり入塾待ちの方が多くいるそうで、大変人気だとうかがったのですが、他塾にない秘訣はあるのでしょうか?

おかげさまで多くのお問い合わせをいただいています。お待たせしてしまった方には、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。現在は講師を増員しまして、より多くの生徒さんに入塾いただけるようにしています。

他塾にない秘訣といっても、オンラインでも校舎でも、そもそも坪田塾の指導自体が従来の指導方法とかなり異なっています。これまで教室でしか提供していなかった指導を、そのままオンラインでも提供できるようになっています。

他の塾・予備校のオンライン授業を利用したことがある方からの声でよく耳にしたのは、「その場で質問したくてもできない」「複数の教科で勉強のバランスがとれない」「オンラインのテキストだと見づらい、書きこめない、自分の学力に合っているかわからない」「記述問題や英作文、小論文の対策がしっかりできるか不安」などでした。

坪田塾ではもともと、このような問題が起きないような指導スタイルをとってきました。質問があれば画面越しに先生に聞けばリアルタイムで対応してくれます。ただ答えを教えたりわかりやすい解説をするのではなく、答えを自分で導き出すヒントをその場で伝えています。正社員の講師中心に指導していて、講師どうし連携をとっているので、教科間のバランスも考えて指導しています。テキストは市販のものから、生徒さんの学力に合わせたものを購入してもらっているので、見づらい、使いづらいということは起こりにくいです。記述問題、英作文、小論文も、講師がその場で添削して、すぐに対話しながら指導しています。

オンラインの指導が人気というよりは、坪田塾の教育の質そのものをオンラインでも評価いただいている印象を持っています。

ーーこれから塾を探す生徒や保護者に向けて、メッセージをお願いします。

おそらく坪田塾の指導法というのは、今までの学校や塾とどことも違うと思います。イメージと全然ちがう部分もあると思います。少しでも坪田塾について気になる方や、今までの勉強法でうまくいかなかったと感じる方は、是非お気軽に、親子おそろいで説明会にお越しください。坪田塾の紹介だけでなく、勉強に役立つとっておきの情報もお伝えしていますよ。

取材協力:坪田塾
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〈取材監修:塾シル〉
〈聞き手:延藤素康〉
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