【面倒見の良さより大事なこと】中央林間で34年、宮崎教室の宮崎智樹塾長にインタビュー

塾インタビュー

小学、中学、高校生向け個別進学塾として、神奈川県・中央林間で34年続く宮崎教室。受験内容の多様化、保護者、生徒のニーズ変化に合わせて、指導スタイルや勉強方法などを柔軟に変えていく指導方法が長年愛されている理由です。塾長による一斉指導と卒塾生を起用したチューター制度を組み合わせたハイブリッド指導について伺いました。

お話をうかがった先生

宮崎智樹(みやざき ともき)先生
宮崎教室、塾長。湘南高校、早稲田大学卒。学校教員を経て、鎌倉市内の塾で塾長を経験。1988年、大和市中央林間で開塾。“地域の子どもたちのために”を柱に、小中高生の指導を続けている。教科指導のほかに、そろばん、習字、プログラミングコースに加えて学童コースも併設。近年では、親子二代で通う家庭も出るなど地元密着型の塾として厚い信頼を集めている。

多角化せず、目の届く範囲で一人一人を指導

ーー本日はよろしくお願いします。宮崎教室について、簡単にご紹介ください。

中央林間で34年間、小中高校生のための学習塾です。塾のほかに、そろばんやプログラミング、習字などのお稽古、14時〜18時半までお子様をお預かりする学童クラスも設けています。

ーー地元密着で30年以上も続けられているとはすごいですね! 先生が塾を始められた34年前はどんな状況でしたか?

私が開塾した頃は、まさに塾が全盛期の時代でした。塾に通う子供も多く、個人塾でさえも大手塾のような集団指導が可能なほど、生徒が集まっていましたね。また、バブル期だったこともあり、個人塾でも多店舗展開するようなパターンも多かったように思います。

ーーでは、宮崎教室も開室当初から順調だったんですか?

私が始めた頃はそんな塾バブルが終わる頃で、手広く展開していた塾の中には経営不振に陥ってしまうところも多かったですね。私は信念として最初から「この一室のみで運営する。複数教室の展開はしない」と決めていました。なぜなら、自分の目が届く範囲で、きちんと一人一人の生徒と向き合って指導をしたかったからです。

その考え方は今となっては正解でしたね。なので、今でも若い塾経営者などと話す機会があると、私は「多店舗展開はお勧めしないよ」と伝えています(笑)。

塾選びにおいて面倒見の良さより大事なこと

ーー宮崎教室の指導方針や、他塾との違いを教えてください。

やっぱり個人塾なので。他塾との違いとなると、まずは「私(塾長)」ということになると思います。よく「個人塾は面倒見がよく、大手塾はそうでもない」とイメージする人がいます。しかし、今は大手塾もすごく面倒見がいいですよね。講師もたくさんいて人材も豊富ですし、層も厚い。このエリアだけで見ると、大手塾でも教室長みずから親身になって動いているところも多いと思います。

ですので、正直なところ、「面倒見の良さ」だけで個人塾が大手と競うことはできません。

結局のところ、塾選びは「相性」が大きいと思います。保護者と塾長、生徒と塾長の相性です。個人塾がいい、大手塾がいい、というより、どこの塾長や先生と相性が合うか。

そこで、私は宮崎教室をよりよく知ってもらうために、SNSでたくさん発信するようにしています。昔は、チラシを配るなどの手段しか方法がなかったですが、今は規模の小さい個人塾でもSNSを使えば簡単に発信ができます。

塾でやっていること、私の指導方針など、塾の素の部分をそのまま知っていただけるようにしています。

受験内容の多様化に合わせた指導を行う

ーー先生が塾を続けている間に、受験生を取り巻く環境に変化はありましたか?

子供や保護者に関しては、昔と変わらないですよ。子供は素直な子ばかりだし、保護者に関しても、昔も今も子供のために悩んでいる内容は同じです。

一方で、受験生を取り巻く環境はどんどん変わっていっていますね。一言で言うと「複線化」したということでしょうか。高校や大学の選択肢はとにかく多様化しています。受験科目も様々だし、生徒個人の希望も一人一人異なっています。

ですので、塾の在り方としても、「みんなで一緒に同じことをする」とか「目指せ〇〇高!」のような旧態依然のような指導を続けてはいられません。

ーー中学受験に関してはどうですか? 「ますます過熱している」などと言われていますが。

私立中学全般で言えば、実のところ、年々入りやすくなっていると思います。この感覚は一般的に言われていることと真逆ですよね(笑)。

ーーそうなんですか!?  てっきり年々、年々難しくなっているのだと思っていました。

少子化が続いていますから、確実に受験生の数は減っています。「受験生の数が減っていない」と言われているのは、増加している公立中高一貫校などの受験者数をカウントに入れているからです。

また、私が「私立中学校に入りやすくなってきた」というもう一つの理由として、受験内容の変化にもあります。私立中でも公立中高一貫校のようなグループワークを試験に取り入れたり、読書感想文コンクールなどで優秀な成績を収めた子に対する優遇措置があったり、英語が受験科目として取り入れられたり。確実に流れが変わって、多様化が進んでいると思います。

もちろん、一部にはまだ偏差値重視の受験スタイルも残っていますが、私個人としては、マスメディアの煽りは「ステレオタイプだなぁ」と思っていますね。

ーーでは、宮崎教室に相談に来る生徒や保護者は、どのようなビジョンを持っている方が多いですか?

当塾に相談に来るご家庭の多くは、ただ偏差値の高いところに受かりたい、というのではなく、「うちの子供の特性はこうで、それに合っているのはこの学校だと思う。そこに行くにはどうすればよいか」という形で相談に来られることが多いですね。そこで、30年以上のノウハウを持っている私が、いろいろとお伝えするわけです。

塾長による一斉指導×講師のよる個別指導の「ハイブリッド授業」

ーー授業の形はどのようになっていますか?

曜日を分けて、私が行う「一斉指導」と、講師が指導する「個別指導」の二本柱で進めています。

一斉指導は、基本的に電子黒板を使い、新しい学習内容についてみんなで学んでいきます。仲間同士で競い合ったり励まし合ったりできるのは、集団ならではのメリットですよね。

一方で個別指導は、「学習システム・メビウス」というプリント学習のツールを使って、生徒ひとりひとりの理解度に合わせたプリントで「わかるまでやる」を繰り返します。わからないところがあれば講師に質問する、という形になっています。

ーー在籍別に詳しく教えてください。まず、中学生はどのような形で、学習をしていますか?

当塾に通う中学生は、主に公立高校を志望している生徒が多いです。公立高校は、どの学校も入試問題はすべて共通なので、まず全員、一斉指導で基本から学びます。ある程度身についたら、そこからは生徒によって勉強内容が変わっていきます。目指す学校のレベルが違うので、個人の目標に合わせて勉強内容をアレンジしています。

ちなみに、公立高校入試もここ10年で変わってきています。神奈川県では、県が「学力向上進学重点校」(※1)というものを指定しています。その流れで、これまで二番手校だったところもレベルが上がってきています。進学実績がよくなったり、先生の熱意がすごく高まっていたり。当塾としては、この二番手レベルの学校には全員入れるように、という目標で生徒にも頑張ってもらっていますね。

(※1)学力向上進学重点校……国際社会でリーダーとして活躍できる高い資質・能力を持った人材を育成する学校として、県教育委員会が示す指標に基づき指定する高校。神奈川県では5校が指定されている。

ーー高校生への指導に関してはいかがですか?

高校生の目標は、大学合格です。しかし、大学入試こそさまざまです。指定校推薦、総合型選抜(旧AO入試)、共通テスト入試、一般入試など、どれを選ぶかでも異なりますし。なので、個別スタイルが基本となります。

一方で、高2ぐらいまでは、学校の成績をしっかり維持するということが大前提です。学校の学習を確実に進めながら、高2、高3になってからそれぞれの希望に合わせた入試対策をしっかりと行っていきます。

大きな目標で言うと、当塾の高校生は、大学入試共通テストを7割〜7.5割取ることを目標としていて、そこを目指してみんな頑張っていますね。

ーー小学生は私立中学を受験する生徒が多いですか?

私立中を目指す子も、地元の公立中に進む子もどちらも在籍しています。中学受験を目指す子たちには受験対応の指導をしています。ただし、やはり小学生にとって大切なのは、学校の授業内容をきちんとクリアにすることです。先ほども申しましたが、今は中学受験もスタイルがどんどん変わってきています。やみくもに詰め込むようなことはしません。

「考える力」の源となるのは「読解力」

ーー小学生に対しては、特に国語の「語彙」と「読解力」アップに力を入れているとうかがいました。

はい。私立はもちろん公立中学に進学する子たちも全員、算数と国語をベースにしながら、同時に「語彙」と「読解力」を高める指導もしています。

というのも、私は、これからさらに教育の流れは変わっていくと考えています。それは、今までの「知識重視型の学力」から、「自発的な思考力を重視したアウトプット型の学び」への移行ということ。そのためには考える力の元となる「読解力」が欠かせません。同時に「語彙」も必要とされます。

宮崎教室では、授業ごとに語彙の宿題を出し、次回の授業時に小テストを行います。さらに毎月、「朝日小学生新聞」などから私がテーマを抽出して、作文を2本書いてもらいます。私が添削して書き直しをするという作業を繰り返しています。

ーー他の教科を勉強するにしても、根底にあるのはやはり「読解力」ですもんね。毎月2本の作文はすごく力がつくと思いました。また、宮崎教室では、塾長による一斉指導とは別に、講師による個別指導もあるそうですね。

はい。講師がひとりひとりの演習問題をアシストする「チューター制」をとっています。先ほども述べた学習システム・メビウスを使って、生徒ひとりひとりのプリントを作成。そのプリントを解き、わからない問題があれば、講師がわかるまでとことん個別指導を行います。

講師はほぼ全員卒塾生!

ーー講師はどんな方を採用されていますか?

現在は10名程度の講師がいますが、ほぼ100%が当塾の卒業生です。長い人だと、小学5年で入塾して、中学・高校と当塾で学び、いま大学生になって講師として働いてくれている10年越え選手も。もはや、家族のような付き合いになっていますね。

ーー塾長と講師の信頼関係が強いのがわかります! 保護者も安心して預けられますね。

そうですね。ただ、講師を含め、長く通ってくれている生徒が多いのはいいことでもあるのですが、反対に、アットホームすぎて初めて塾に通うご家族からしたら敷居が高くなっているのではないか、という懸念も若干あります。そこはきちんと改善しなくてはいけないと思い、こまめにInstagramなどで授業風景を公開するようにしています。決して入りづらい環境ではないので、安心してお問い合せくださいね(笑)

34年間で変えたところ、変えなかったところ

ーー親子二世代で通う家庭もあるほど、地元密着型で34年も続けてきたわけですが、長く続いている秘訣はなんだと思われますか?

現状に甘んじず、毎年バージョンアップすることです。長く運営していますが、ずっと同じ指導はしていません。具体的には、指導方法、使っている教材、システムやツールなど、時代や地域、子供の変化に合わせて毎年変えています。もちろん、学習に関する根っこのところは変えていませんけどね。

たとえば近年のコロナ禍で、オンライン授業という形が見直されました。当塾では以前から取り入れていたので、そのあたりの変化にもスムーズに対応ができましたね。

ただし、忘れてはいけないのが「子供の学力を上げることが第一」ということ。学力を上げるためには、何をどう使うのがベストか、という発想でないといけません。ただやみくもにICT(※2)を導入すればいい、ということではないと思っています。

たとえば、私は中学生以下への映像授業は難しいと思っています。理解を進めるためにはやはり対面での指導がいいのでは、と思いますね。もちろん個々の生徒によるので、柔軟に対応しています。

(※2)ICT……Information and Communication Technology。パソコンやタブレット端末、インターネットなどの情報通信技術を活用した教育手法のこと。

ーー大切なことは残しつつも変化をためらわないということですね。反対に、変わらずにあるもので「これはずっと続けていくべきだな」と感じることはありますか?

生徒同士のつながりですね。当塾には小学生から高校生まで在籍しているので、高校受験を控えている中学生の生徒は、現役高校生から直接話を聞くことができます。

そうすると、その高校生たちが「こういう勉強をするといいよ」など、私が彼らに教えた勉強方法を、中学生たちに伝えてくれるんですよね。私もなるべくたくさんの先輩塾生に「後輩に話をしてあげて」とお願いしています。高校生も同じで、チューターをしている先輩大学生からいろいろと教えてもらっています。そういった人のつながりも塾を長く続けられている理由の一つかもしれませんね。

ーー先生はInstagramで授業の様子を発信するなど、SNSを上手に利用されていますね。心がけていることはありますか?

そうですね。でも実はこれ、当初は外部向けではなく、在塾生の保護者向けにやっていたんです。それが想定外にも、塾生以外の方が多く見てくれていた。今では、塾に相談に来る小学校低学年のお母さんの多くが、「インスタ、フォローしています」と言ってくれますよ。

やはり、保護者がよく使うツールで発信すると、見てくれる方は増えますよね。興味をもたれやすいと思います。

SNSによる発信で意識しているのは、塾の素の部分がわかるようにすること。「こんな生徒がいますよ」「こんな勉強、指導をしていますよ」というのを知ってもらえればいいな、と思いながらやっています。

ーー教室はどんな雰囲気ですか?

授業中はもちろん、しっかり真剣に取り組んでもらっています。ただし、私が意識しているのは、メリハリを大事にすること。勉強と同じくらい大切なのは社会体験です。子どもたちを連れて東日本大震災の被災地へボランティアに行ったり、コロナ感染拡大以前はカヤックの合宿をしたり、尾瀬にハイキングに行ったこともありました。

さらに、強く生徒に伝えているのは、「やるべきことをちゃんとやる」です。たとえば宿題。私の出す宿題はそんなに量も多くありません。にもかかわらず「やるの忘れました」を繰り返すようだと、当塾に通いつづけることは厳しいと思います。

ーー自習室や入退室管理についても教えてください。

自習室はゆとりのあるスペースを完備。いつでも使えるようになっています。入退室に関しては、登録されたメールに入退室のお知らせが送られるようになっています。

あとは、塾の公式LINEを設けています。入塾の問い合わせや相談事から、欠席の連絡、講習会の参加・不参加の返事などもLINEでやり取りしています。便利な上に、私が授業中の間は電話に出ることができないので、その点でもLINEの方がお互い迅速にやり取りができるのかな、と感じています。

ーー最後に。いま塾をお探している方にメッセージをお願いします。

私がよく言っているのが、「うちの塾に来れば未来が見える」ということ。なんだかキレイな言葉に聞こえますが(笑)、当塾で学ぶと「自分がどうなりたくて、そのためにどうすればよいのか」ということが見えてきます。小学生なら中学生になった時の自分、中高生なら、大学生や社会人になった時の自分がイメージできるんですね。

そして、その未来のためにしなくてはいけないこと、まずは目の前の勉強ですよね。勉強をどうすればいいのか、というところから一緒に考え進めていくことができます。

ーー本日はありがとうございました。

取材協力:宮崎教室
お近くの宮崎教室を探す

〈聞き手:塾シル・延藤素康〉
塾シル』は、全国の学習塾を紹介する塾ポータルサイトです。