• No.10 馬鹿は死ななきゃ治らない

    25/09/11 16:31:54

    林真理子風エッセイをAIに作ってもらった

    義実家から、現金のお祝いをいただいたことは一度もない。ゼロである。
    その代わりにというか、両家で集まるたびに必ず義両親が食事代を出す。いや、正確に言うと「ありがたくも出してくださる」。しかも毎回、きまってこう言うのだ。
    「遠くからわざわざありがとうございます。◯◯家としてお祝いはこちらでさせていただきます」
    ──どうです、この堂々たる宣言。

    けれど行き先は毎回同じ。義両親のお知り合いの中華料理店である。アットホームでリーズナブル、大人6人食べてもお会計はだいたい1万5千円。私の心の電卓は、いつもチーンと鳴る。「はい、今日のお祝いは1万5千円なり」と。しかも子どもたちはまだ3歳と1歳、チャーハンのひと口も食べない。これで「◯◯家としての晴れやかなお祝い」と言われても、どうにも箸が進まない。

    一方の私の実家ときたら、対照的である。孫の節目には毎回5万円以上を包み、さらにおもちゃや洋服まで抱えてやって来る。まるでサンタクロースが年中無休で働いているかのようだ。するとどうしても比べてしまう。「食事代1万5千円 VS 現金5万円+プレゼント」。結果は言うまでもない。

    もちろん私や両親も「今日は私たちが出しますよ」と言ってみる。だがそのたびに義両親はきっぱりと断る。「いえいえ、◯◯家として払うのが当然ですから」──出ました、“◯◯家”。このフレーズがとにかく大好きらしい。回鍋肉の隣で繰り返される“家”の連呼に、私は心の中で「この人たちはいったい何の家元なのだろう」とつぶやくのである。

    考えてみれば、義両親にとって「食事代を出すこと」が最大の見せ場なのかもしれない。舞台でいうならカーテンコール、歌舞伎でいうなら見得を切る場面。「よっ!◯◯家!」と掛け声をかけたくなるほど誇らしげだ。けれど、その金額は毎回1万5千円。安くておいしいのはありがたいけれど、「これがお祝い…?」と首をかしげながら、私は今日も中華スープをすすっている。

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