新型コロナウイルスは、HIVウイルスのように免疫系を破壊する?

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  • 21/09/29 02:54:17

新型コロナウイルスに感染した患者の重症化の原因のひとつとして、HIVウイルスのように免疫系を破壊する可能性が浮上している。ウイルスがリンパ球の70~80パーセントを占める「T細胞」を破壊することで免疫システムのコントロールが効かなくなり、患者を死に至らしめる「サイトカインストーム」につながる。そんなメカニズムが、さまざまな論文から見えてきた。

新型コロナウイルス(正式名称は「SARS-CoV-2」)に感染した患者の重症化の原因のひとつとして、免疫系の暴走である「サイトカインストーム」が挙げられている。そのメカニズムの一部が見えてきた。

なぜ免疫システムが暴走するのか。そしてなぜ高齢者や肥満の人に多いのか。その秘密は、病原体と闘う免疫細胞と、異物を排除するために免疫細胞を活性化させる信号「サイトカイン」の食い違いによるものかもしれない。

複数の研究機関によると、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の患者の血液内で、白血球の一種であるリンパ球の劇的な減少がみられることがわかってきた。その理由のひとつに、新型コロナウイルスがリンパ球の70〜80パーセントを占める「T細胞」に感染し、破壊する可能性が挙げられている。

T細胞は新型コロナウイルスの“侵略”を受けて数が減り続け、ついには免疫システムのコントロールが効かなくなってしまう。その末に、患者を死に至らしめる「サイトカインストーム」が起きるのだ。

ヒトの免疫システムに代表される白血球には、ナチュラルキラー細胞やT細胞と呼ばれるリンパ球がある。ナチュラルキラー細胞は、がん細胞やウイルスに感染した細胞を攻撃して排除する。T細胞となる前の前駆細胞は、「胸腺」と呼ばれる臓器の中で自分自身の細胞を攻撃しないように“訓練”を受け、いくつかの型に分化する。

こうしてつくられたT細胞のなかでも代表的なものが、ウイルス、がん細胞、移植された臓器の細胞といった体にとって異物と認識されたものを破壊する「キラーT細胞(CD8+T)」と、病原体認識シグナルを送って免疫細胞を活性化させる「ヘルパーT細胞(CD4+T)」だ。

新型コロナウイルスはHIVウイルスのように免疫不全を引き起こす
科学学術誌『Nature』に掲載された論文では、新型コロナウイルスがT細胞に直接侵入しうるいくつかの経路が実験により示されている。しかし、T細胞には新型コロナウイルスが侵入する受容体(ACE2)の発現レヴェルが非常に低いことから、感染を可能にする別の受容体があるはずだと推測されている。

免疫システムで重要な働きを担うT細胞の枯渇は、多くの慢性感染症やがんの発症時にみられるT細胞機能不全の状態だ。例えば、HIVウイルスはヘルパーT細胞(CD4+T)に感染して増殖し、長い時間をかけてヘルパーT細胞の数を減らしていく。その値が1マイクロリットルあたり200個を切ると(正常値は400個以上)、AIDS(後天性免疫不全症候群)を発症したと診断されることになる。

新型コロナウイルスはT細胞に対し、HIVウイルスによく似たプロセスをたどるようだ。T細胞数が少ない患者には、より緊急性の高い早期介入の必要性が示唆されている。

全文はこちら
https://wired.jp/2020/05/24/covid-19-and-t-cells/

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