- なんでも
- ペガスス
- 18/10/06 14:22:32
ある程度の年齢になると、自己管理・自己責任で選択することが増えてくる。たとえば、恋愛の相手、就職・転職・結婚などのライフプラン。そして、「偏食」も間違いなくそのひとつだ。
親元を離れて以来、「もう何年、何十年も偏食生活を続けている」という人もきっと、少なくないだろう。では、偏食生活を続けていると、その先にどんな未来が待っているか、考えたことはあるだろうか?
■栄養素が不足すると人間関係を築きにくい性格になる!?
那須由紀子さんは長年、管理栄養士として病院で患者さんたちの食事指導の他、栄養と心身、脳のつながりを学んできた栄養のプロフェッショナルだ。
たとえば、病院での臨床経験を積む中で著者は、こんな衝撃的な発見もしたそうだ。
『偏食がある患者さんとない患者さんで、性格がまったく違う。それどころか、人生の結果が二極化している!』
偏食がない患者さんは、食後の著者からの問いかけに対して「おいしい食事をありがとう」と明るく笑顔で応え、肌の色つやもいい。一方、偏食がある人は、初対面にもかかわらず「まずかった」と平気で文句を言う人も珍しくなく、表情は暗く不健康に見えるという。
それだけでなく、偏食がない人は、家族なども多数お見舞いに来る一方、偏食がある人は、概して孤独な人生を歩んでいることが多いという。
なぜ偏食の有無によって、性格や人生にまで違いが出るのか? その理由はどうやら、栄養と脳神経の関係にあるらしい。
那須さんによれば、正常に細胞、神経が作られるには、いろんな栄養素が必要となる。脳神経は、ビタミン・ミネラル・アミノ酸から出来ており、偏食により、栄養素が不足することで脳神経が正しく作られなくなってしまい、その結果、感情を司る脳神経の合成に影響し、人格形成に影響が出る。人間関係を築きにくい性格になる可能性もあるそうだ。
偏食が影響するものとしては他にも、「メンタルの諸問題」「お肌のトラブル」などさまざまにあるという。
■どんな食事がベストなのか「幸せな人生を送るための食事 8つのポイント」
その8つをキーワードで記すと、
①アミノ酸スコア
②肉と魚(動物性タンパク)
③納豆+卵+ごはんを例にした植物性タンパクバランス
④野菜
⑤脳と腸の関係
⑥果物
⑦主食と精製されていないものの関係
⑧菌活
となる。
ここではまず③について 紹介しよう。卵かけご飯といえば、日本のソウルフードだ。そのバランスの良さを著者は、本書でこう説明している。
お米といえば炭水化物のイメージが強いが、「意外にもタンパク質も含んでいる」という。そのお米からタンパク質を効率的に吸収できるのが、鰹節や卵をかける食べ方だそうだ。なかでも卵はタンパク質を合成するために必要なビタミン、ミネラルを含む「栄養価の優等生」。だから卵かけご飯は素晴らしいのだが、さらに、不足しがちな植物性たんぱく質を補える納豆(大豆)も加えることで、より理想的なバランスになるという。
■精製された白米より精製されていない玄米がいい理由
ポイント⑦では、精製された白米より精製されていない玄米などを主食とすることを推奨しており、その理由は、取られてしまった胚芽とぬかにはビタミンB群と食物繊維が含まれているからだという。またポイント⑧では、美容業界でおなじみの「菌活」(菌による腸内環境づくり)について触れており、腸で脳神経が作られているため、腸を良くすることで、脳神経が正常に作られるという、発酵食品群の効果的な食べ方について解説している。
那須さんの著書『栄養で人生は変わる ──食はあなたの人格を作り、人生の善し悪しも決める!──』(旭屋出版)には他にも、サプリメントや偏食を防ぐ上手な食べ方なども解説してくれているので、ぜひ、参考にしていただきたい。
じつは筆者にも偏食癖があり、本書を読んで目下、鋭意、猛省中の身。本書は実践的であり、すぐに食生活の改善が実行に移せることがうれしい限りである。ぜひ、偏食にピンと来た方、子育て中のお母さんたちなどにも本書から 食が人格形成に関わっていることについて多くを学び、人生をより良い方向に向かわせるために生かしてほしい。
文=小坂誠一
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