網戸のひもで6歳死亡 両親、アルミ建材大手を提訴 「欠陥で首に絡まり」

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  • 戸沢盛安
  • 20/10/28 01:32:04

10/27(火) 17:45 Yahoo!ニュース
 網戸を上下に動かすひもに首が引っかかり、女児(当時6歳)が死亡したのは製品の欠陥が原因だとして、兵庫県内に住む両親らがアルミ建材大手「YKK AP」(東京)とリフォーム業者に計約8000万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。窓のブラインドなどのひもが首に絡まる事故は過去にも多発しており、父親は27日の第1回口頭弁論で「安全対策を講じていれば事故は防げた」と訴えた。被告側は争う姿勢を示した。

 訴状などによると、女児は2019年11月18日午後、自宅で網戸のひもが首に引っかかった状態で家族に発見され、病院搬送後に死亡が確認された。
事故は、自宅のリフォームで網戸を設置した直後に発生。輪状になった樹脂製のひも(約175センチ)を引くと、窓枠の上部に収納された網戸が下まで引き出せる構造だった。

両親側は、網戸の本体に事故を警告する表示がなく、一定の重さがかかるとひものつなぎ目が外れるなどの安全対策が取られていないと指摘。「子供の首に引っかかると窒息死する危険がある時点で欠陥がある」と主張している。

 製品には、子供の手が届かない高さにひもを束ねるクリップが付属しており、このクリップには事故への注意を促す表示があった。しかし、出荷時にクリップはひもに装着されておらず、両親側は「使用の必要性を認識できる状態ではなかった」と言及。リフォーム業者についても、クリップを袋に入れたまま放置し、使い方を説明しなかった責任があるとしている。

 事故当日、病院に駆けつけた父親は「パパ来たよ」と語りかけたが、女児の意識は戻らなかった。20年4月から小学生になるはずだった女児の紫色のランドセルは、今も自宅に残されたまま。父親は法廷で「幼い命が二度と奪われないよう再発防止を要請したい」と涙ながらに訴えた。

 YKK APは訴えに対し、「製品自体に欠陥はないと主張していく」と答弁。取材に対し、事故後の19年12月以降はひもにクリップを装着した状態で出荷しており、安全性を高める措置を取っていると説明している。

 ◇同様の事故、後立たず

 窓のブラインドやスクリーンなどのひもを巡っては、過去にも事故が多発しており、消費者庁が繰り返し注意を呼びかけてきた。

 同庁によると、2007~13年にひもが子供の首に絡まるなどの事故は国内で10件あり、このうち12年の3件では死亡した。6カ月男児が亡くなった事故では、寝返りをしてベッドから落ちた際、近くのひもが首にくい込んだとみられる。

 経済協力開発機構(OECD)の調査(16年)では1996年以降、世界15カ国で250件以上の死亡事故が確認されている。

 消費者庁は、ひもが首に絡まると窒息などで15秒以内に気絶し、2~3分で死亡する危険性があると指摘。事故は寝室やリビングで静かに起き、保護者が気づかない可能性もあるといい、▽ソファやベッドをひもの近くに置かない▽ひものループ部分がない製品や小さい製品を使う▽ひもをクリップでまとめる――などの対策を求めている。

 一方、東京都が設置した「都商品等安全対策協議会」は14年、クリップなどの付属品があっても消費者が使わないケースがあるとして、安全器具が一体化した商品開発をメーカー側に提言した。【藤河匠】

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