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- 19/08/22 14:19:34
2019年8月22日 午前7時20分
熱中症予防のために設けた基準により、プール開放は最終日も中止となった＝８月９日、福井県福井市内の小学校
福井県の福井市立小学校の夏休みのプール開放は、熱中症予防のため市が新設した基準により７日間にとどまり、利用した児童は計２６６３人と昨夏から８６％減となった。
監視員を置かず、利用は引率者がいる場合に限ったことも要因となった。
人手不足の中、市は監視員だけでなく管理人の確保も難しくなっているとして「来夏のプール開放が可能かどうかから議論していく」としている。
■平日はわずか３日
開放最終日となった９日、市内のある小学校のプールには開放中止を知らずに訪れた女子児童と引率の祖母がいた。
管理人から開放の中止を告げられると祖母は「３０分だけでも入れないのか」と詰めよった。
女子児童は「プール入りたかった」とだけこぼし、さみしそうに帰って行った。
今夏のプール開放期間は７月２０日～８月９日の２１日間だったが、２４日の梅雨明け以降はほとんど開放できなかった。
猛暑だった昨夏は、予定していた１５日間すべて開放し、計１万８９９９人が利用したが、保護者らから「危険だ」「熱中症になったら誰が責任を取るのか」といった批判が寄せられたという。
実際に女児が溺れて一時意識不明となった事故もあり、市は今夏、熱中症予防に向けた開放基準を初めて設定。
午前１１時時点で▽予想最高気温が３５度以上▽環境省が発表する熱中症予防の指標「暑さ指数」の予測値が「危険」－のいずれかの場合は中止するとした。
今夏中止した１４日間はすべて暑さ指数が「危険」だった。
「危険」は、日本スポーツ協会が原則運動を中止し、特に子どもの場合は中止すべきとの指針を示している。
市スポーツ課は「海水浴場で波が高いと遊泳禁止とするのと同じように、プールの開放を中止することも必要だ」と理解を求める。
■利用２人の学校も
開放日が少なく、プールの利用を引率者がいる場合に限ったため、利用児童は激減した。越廼小は７日間で２人、旭小と羽生小は３人しか利用せず、７校で１０人未満となった。
最も利用者が多かった開放日は梅雨明けが発表された２４日の９２０人。
昨夏の最も多かった日は４０校で２２０９人が利用しており、共働き世帯が多い福井で引率者の同伴を条件とするハードルの高さが浮き彫りになった。
市スポーツ課は、プールに監視員を置かなかった理由は、財政難以上に人手不足の影響が大きいとする。
全校に監視員を置いた２０１７年度は、市内を４地域に分けて監視する業者を募集したが１地域で応札がなく、市職員らで監視せざるを得なかった。
財政難でプール開放そのものの中止を予定していた昨夏は、ＰＴＡなどの有志を市が雇う形をとったが、ＰＴＡ対象のアンケートでは「負担が大きい」との声が大勢を占めた。今夏に有志が監視に当たったプールは宝永、足羽、森田の３校にとどまった。
プールの水質管理や利用者の受け付けは市が約１千万円で警備業者に委託したが、この業者は５０校すべてに管理人をそろえるのに苦労したという。
市スポーツ課は来夏に向け、ＰＴＡや警備業者らによる検討委員会を立ち上げる考えで、担当者は「プール開放の在り方を抜本的に見直さなければならない時期に来ている」と話している。
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