この人が輝いていた時代をリアルタイムで知っているのは、ママスタ最高齢（67歳）の私くらいだろうけれど。

この人の才能は、ミュージシャンとしてではなく、プロデューサーとしてのものなのよ。分かりやすい例でいうと、テレビ業界のテリー伊藤さんが近いかも知れない。でも、もっとスケールが大きく、国際的で、前衛的だった。

人脈を築いて、人の才能にいち早く気づいて、登用し、売り出す。例えば、沢田研二がボーカルを務めるザ・タイガースをデビューさせたのは、内田裕也の功績。

内田本人がボーカルを務めるフラワー・トラベリング・バンドは海外で活動してたんだけど、自身はあっさりボーカルから身を引いて、ジョー山中という新人を抜擢した。ジョーがボーカルになってからのフラワー・トラベリング・バンドは、海外でも高く評価されて、デビッド・ボウイなんかも彼らから影響を受けたと言ってる

今では当たり前になってる「ロック・フェスティバル」というイベントを日本で最初に手がけたのもこの人（フジロックはまた別の人だけどね）。

だけど、私生活は若い頃からどうしようもない人で、その面がどんどん表に出るようになった。酒、ドラッグ、不倫、暴力。日本の音楽業界が成長すると、この人は居場所がなくなって、才能も枯れていき、「樹木希林の旦那」「変なジジイ」という肩書きしか残らなかった。

今は見るに堪えない、醜い老人になっちゃったね。